~ソーラーフロンティアの取組み
(2012年3月21日 10:00~11:20)
(2012年3月21日 11:30~13:00)
Cu (In,Ga) Se2 (CIGS) を代表とする化合物薄膜太陽電池は、既に市場に出荷されているものの、作製時の問題を多く抱えているのが現状である。
本セミナーは、CIGS薄膜や太陽電池の作製法について基礎から現状を解説し問題点を整理するとともに、CIGS太陽電池を「早く・安く・簡単に」作製するためのプロセス技術や材料マッチングなど、これから必要なアイデアを紹介する。
(2012年3月21日 13:40~15:00)
CIGS太陽電池は、薄膜太陽電池の中で最も光電変換効率が高く、大面積モジュールの長期安定性が実証されたうえ本質的に低コスト化が可能なため、結晶系シリコン太陽電池のほぼ独占状態であった太陽光発電市場で非常な勢いで導入実績が伸びてきている。 日本国内の太陽光発電市場に目を向けると、世界市場でも同様なことが言えるがCIGS系太陽光発電モジュールメーカーの代表格であるソーラーフロンティア社とホンダソルテック社は既に一定の地位を築いている。 このような状況の中、世界中でCIGS太陽電池のR&Dや商業化が活発になされているが、市場への参入障壁は決して低くなく、参入するには製品・技術の差別化が重要になると考える。 本講演では、CIGS薄膜太陽電池の技術と市場の概要を述べた後、円筒型およびフレキシブル型CIGS太陽光発電モジュールといった従来の平板型太陽光発電モジュールとは異なるモジュールについての技術的な特徴やそれらモジュールが日本市場に参入するために必要な性能を有しているかを見極めるための評価に対する取り組み内容を紹介する。
(2012年3月21日 15:10~16:30)
本講演では、汎用原料のみで構成できるInフリーCu2ZnSnS4 (CZTS) 薄膜を光吸収層に用いた新型太陽電池の研究開発を紹介する。 CZTSは約1.5 eVの禁制帯幅と104cm-1台の大きな光吸収係数を持つため、薄膜太陽電池材料として有望である。 このすばらしい光学特性を、1988年に初めて明らかにしたのは、信州大学の伊東教授らであった。 彼らは、カドミウム・スズ系酸化物とのヘテロ接合を形成し165mVの開放電圧を報告している。 筆者の研究室では、真空製膜装置によりCu-Zn-Sn-S系のプリカーサを作製した後、硫化水素雰囲気中で熱処理する事によってCZTS 薄膜を作製している。 1996年には、SLG/Mo/CZTS/ CdS/ZnO:Al/Al構造の薄膜太陽電池を構成し、CZTS系薄膜太陽電池では初めてとなる0.66%の変換効率を発表した。 その後、各種の評価を通して作製条件の最適化を図り、変換効率の向上に努めてきた。 2008年には、6.77%の変換効率を発表している。 最近では、組成比に対する変換効率マップを公表し、Cu-poor, Zn-rich組成が好ましい組成であることを明らかにしている。 本講演では、筆者の研究室で行っているスパッタ・硫化法によるCZTS薄膜の作製に焦点を当てて、従来の研究の推移を報告する。