バイオマスプラスチック・材料の開発動向と今後の展望、応用展開

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本セミナーでは、生分解プラスチックについて基礎から解説いたします。
生分解のメカニズム、生分解性の評価法、市販される生分解プラスチックの種類と課題、生分解プラスチックを利用した製品の開発の必須事項を詳解いたします。

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プログラム

第1部 生分解性バイオマスプラスチックの開発動向と多糖類エステル誘導体の可能性

(2021年11月25日 10:30〜12:00)

 石油資源の枯渇、プラスチック焼却に伴う地球温暖化、海洋マイクロプラスチックに代表されるプラスチックごみ問題など、プラスチックと環境および人類との共存・共栄を様々な観点から考える必要があります。  バイオプラスチックとは、石油を原料とせず、再生産可能なバイオマスを出発原料した「バイオマスプラスチック」と環境中で二酸化炭素と水にまで完全に分解される「生分解性プラスチック」の総称です。  本講では、バイオマスから生産され、環境中で分解する「生分解性バイオマスプラスチック」から当研究室で開発した高強度繊維・伸縮性繊維の物性、大型放射光を用いた構造解析、環境および酵素分解性について紹介します。  さらに、ミドリムシが生産する多糖類 (パラミロン) などを用いた多糖類エステル誘導体の可能性について紹介します。また、最近開発に成功した生分解性開始スイッチ機能についても紹介します。

  1. 環境に優しいバイオプラスチック
  2. 微生物産生ポリエステルの基礎物性
  3. 微生物産生ポリエステルからの高強度繊維および伸縮性繊維の開発
  4. 生分解性繊維の物性および大型放射光を用いた構造解析
  5. 生分解性繊維の環境及び酵素分解性
  6. ミドリムシが生合成するパラミロンからの射出成形品および高強度繊維の開発
  7. プルランから「ゼロ複屈折フィルム」の開発
  8. デキストランから「安全性の高い接着剤」の開発
  9. 虫歯菌の酵素からつくる天然にない多糖類の試験管内合成
  10. 完全直鎖状α-1,3-グルカンからの高耐熱性部材の開発
  11. 多糖類エステル誘導体の環境分解性評価
  12. 生分解性スイッチ機能の開発
  13. 様々な生分解性プラスチックの海洋分解性評価の取り組み

第2部 海洋生分解機能を志向したバイオプラスチックの開発と社会実装に向けた取り組み

(2021年11月25日 13:00〜14:30)

 近年の海洋プラスチックごみの社会問題化から、海洋へ流出する可能性が高いワンウェイ用途のプラスチックについては、海洋へ流出したとしても環境への負荷が小さい新素材、すなわち海洋生分解性プラスチックへ代替することが求められている。  本講座では生分解性プラスチックの開発概要、欧米における海洋生分解性プラスチックに対する状況を紹介し、 加えて演者らが中心となって昨年から取り組んでいる産学連携による海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォームの活動内容や、デンプンを活用する減プラスチック材料の開発についても述べる。

  1. 生分解性プラスチックの基礎
    1. 生分解性プラスチックの定義、開発動向
    2. 代表的な生分解性プラ
      1. ポリ乳酸
      2. 微生物産生ポリエステル
      3. 脂肪族ポリエステル
      4. 多糖類
      5. ポリビニルアルコール
    3. バイオプラスチックの用途例
  2. 海洋生分解性プラスチック
    1. プラスチックによる海洋汚染
    2. マクロプラスチックとマイクロプラスチック
    3. 海洋生分解性評価
    4. 生分解性プラスチックの開発動向
  3. 熱可塑性デンプン
    1. 生分解性プラスチックとのブレンド
    2. 非生分解性汎用プラスチックとのブレンド
  4. 海洋生分解性バイオマスプラスチックプラットフォーム (MBBP)
    1. MBBPの概要
    2. MBBPの活動内容

第3部 フラン誘導体からのバイオマス材料の合成と今後の展望

(2021年11月25日 14:40〜16:10)

 第二世代バイオマスとしてヘミセルロースとセルロースから製造されるフラン誘導体 (フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール (HMF) など) が注目されている。  フラン誘導体の中でもフルフラールは化学工業の資源として20世紀初頭から使用されてきたが、 現在の用途は、潤滑剤の抽出溶剤、金属成形のバインダーのフラン樹脂に限定されている。一方、20世紀終盤からは、安価で豊富な非可食バイオマス資源であるフラン誘導体をバイオ燃料、汎用高分子のモノマー、および新規高分子に利用する研究が飛躍的に発展してきた。 例えば、ポリ (エチレンフラノエート) (PEF) は、ポリ (エチレンテレフタレート) (PET) の代替品として注目され、社会実装が検討されている。  本講演では、19世紀のフラン誘導体発見から20世紀初頭の化成品原料としてのフラン誘導体、そして、現在のバイオマス由来の高分子原料としてのフラン誘導体の有用性を解説し、その将来展望を述べる。

  1. 第2世代バイオマス資源としてのフラン誘導体
  2. フルフラールとヒドロキシメチルフルフラール (HMF)
  3. 汎用高分子モノマーへの変換
  4. 機能性モノマーへの変換と重合
  5. フラン誘導体からのテレフタル酸合成
  6. フラン樹脂
  7. モノフラン含有高分子
  8. ビスフラン含有高分子
  9. ビフラン含有高分子
  10. フラン環の利用
  11. まとめ

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