第1部 CFRP、CFRTPの界面設計
(2021年11月26日 10:30〜12:10)
炭素繊維強化樹脂 (CFRP) において、炭素繊維 – 樹脂間の界面接着力は、その力学物性を左右する重要な因子である。特に炭素繊維強化熱可塑性樹脂 (CFRTP) の開発が活発な中でで、化学反応を伴わない成形工程中に高い界面接着力を実現するのは困難であり、界面の重要性が再認識されている。
本講座では、炭素繊維、CFRPの最近の研究動向を紹介するとともに、CFRPにおける界面の考え方を解説する。また、界面接着の評価手法や最新のCFRTP向けの界面の制御手法についても紹介する。
- 炭素繊維・CFRPの基本
- 炭素繊維とCFRPの歴史
- 国内外で実施される関連研究開発動向
- CFRPの考え方と界面の重要性
- 炭素繊維の表面処理の現状
- 炭素繊維への表面・サイジング処理の現状
- 界面の接着性評価
- フラグメンテーション法
- マイクロドロップ法
- 引抜試験
- 熱可塑性樹脂を母材とする難しさ
- CFRTP中における界面接着力の改善手法
- 新しい炭素繊維 – 樹脂界面接着力の改善手法
- CFRPのリサイクルと界面制御
第2部 現場重合型熱可塑コンポジットの特性と応用事例
(2021年11月26日 13:10〜14:50)
繊維強化プラスチック (FRP) は比強度の高さ、腐食に対する耐性などの特長から各分野で金属材料からの置き換えが検討されている。現在、FRPのマトリックスはエポキシ樹脂を中心とした熱硬化性樹脂が主流であるが成形時間の短縮、耐衝撃性の向上といった点で熱可塑性樹脂をマトリックスとしたFRTPの導入検討が盛んである。ただ繊維への含浸というプロセスで溶融粘度の高い熱可塑性樹脂は難点を抱えている。
本講ではその解の一つと期待されている現場重合型熱可塑樹脂について紹介する。
- マトリックス樹脂の比較
- 熱硬化性樹脂
- 熱可塑性樹脂
- 現場重合熱可塑性樹脂の紹介
- 熱可塑エポキシ樹脂
- ポリアミド6
- アクリル
- ウレタン
- FRPの成形法
- オートクレーブ
- コンプレッション
- RTM
- 引き抜き成形
- フィラメントワインディング
- 熱可塑コンポジットの応用分野
- 自動車分野
- 再生エネルギー分野
- 建築分野
- スポーツ分野
- 福祉分野
第3部 炭素繊維強化ポリプロピレンの界面特性と自動車部材への適用検討
(2021年11月26日 15:00〜16:00)
自動車業界では、CO2排出量削減のための車体軽量化や電気自動車化などの技術革新が求められており、既存の金属材料の代替材料となる炭素繊維強化複合材料 (CFRP) の研究が活性化している。その中でも、生産性と汎用性に優れるポリプロピレン (PP) をマトリックスに用いた炭素繊維強化PP (CFPP) は、炭素繊維 (CF) とPPの界面密着性が低く、繊維特性を最大限に発揮できていないという課題がある。
本講演では、炭素繊維強化ポリプロピレンの機械的特性と繊維/樹脂の界面せん断強度の接着性に着目し、界面特性や界面形態観察の研究事例から機能発現の見解を述べる。また、弊社における自動車部品の軽量化に向けた樹脂材料開発への取り組みについて紹介する。
- 自動車業界を取り巻く環境
- 環境問題への各国の対応
- ダイキョーニシカワの環境対応
- 炭素繊維強化ポリプロピレンの界面特性の研究事例
- マイクロドロップレット法による界面接着性評価
- 機械的特性と界面近傍の破面観察
- 樹脂改質剤による界面構造の関係
- 自動車樹脂部品の高機能化への取組み
- 価値創造に向けた先進技術
- 高機能複合材料の開発
- 材料モデルベース開発の推進
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
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