PIC/S査察官向けガイダンスを踏まえたラボと製造のデータインテグリティ実務対応

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本セミナーでは、データインテグリティ(DI)について基礎から解説し、1,600件を越すFDAの査察指摘から抽出したDI指摘事例、DI指摘事例や各極ガイダンスから学び取ったDI実務対応、PIC/S査察官向けDIガイダンスについて解説いたします。

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プログラム

改正GMP省令が本年8月1日より施行され、我が国のGMP規制要件としてデータインテグリティ (DI) が求められることとなった。この改正GMP省令の運用課長通知における逐条解説に「手順書並びに記録の信頼性 (いわゆるデータ・インテグリティ) の確保については、PIC/Sガイダンス PI 041が参考になる」と記載されている。  PI 041はPIC/S査察官むけのDIガイダンスであるが、業界への助言も記載されている。このPI 041は2016年にドラフトが発表され、2021年7月に最終化された。DIのガイダンスはこれ以外にも、FDA、MHRA (英国医薬品庁) 、WHO、ISPE、PDAなどからも発出されている。これらのガイダンスにおいて、DIの基本要件はALCOAプラスであると説明されているが、ALCOAプラスは従来からGMPに求められていたものと大差ない。  一方、査察官が期待するDIの実務対応レベルは、DI技術の普及とともに高くなる。従って、各極のDIガイダンスを読み込んでALCOAプラスを頭のなかで深掘りしても、査察官が現時点で期待するDI実務対応レベルを把握するのは容易ではない。査察官が期待するDI実務対応レベルは、当局査察におけるDI指摘事例から学び取るのが確実である。  生の査察指摘開示が一番進んでいるのはFDAである。本講座では以下の流れでDI実務対応を説明するので、PIC/Sガイダンスの条文を査察指摘事例やDI対応実務をイメージしながら具体的に理解していただける。

 また、電子ファイルにてご提供するPIC/Sガイダンスの邦訳により、ガイダンス詳細の理解を深めていただける。1,600件を越すFDAの査察指摘をベースに説明するので、コンピュータに馴染みのなかった方でもCSVとデータインテグリティの本質と実務を具体的に習得していただける。コンピュータに不慣れな方にも十分理解していただけるよう、ERES (電子記録・電子署名) とCSV (コンピュータ化システムバリデーション) の基礎から説明する。また、増加しつつあるクラウドサービス利用における留意点やスプレッドシートのCSV/DI対応の概要も説明する。

  1. 改正GMP省令とPIC/S
  2. データインテグリティとは
  3. CSVとERESの基礎
  4. データインテグリティ用語
  5. FDAのDI査察指摘
    • 指摘トップ10
    • 国内における指摘
    • ラボにおける指摘
    • 製造における指摘
  6. スプレッドシートのFDA指摘とその対応
  7. DI実務対応
    • 紙記録 (ラボ、製造共通)
    • コンピュータ化システム (ラボ主体)
    • 製造装置と検査装置
  8. クラウドサービス利用における留意点
  9. ポリシーと手順書の策定方針
  10. 主要ガイダンスの概況
  11. PIC/S査察官むけガイダンスの解説
  12. MHRAガイダンスの要旨 (英国医薬品庁)
  13. FDAガイダンスの要旨
  14. 良くある質問
    • 以下をはじめとする質問、および事前に提出いただいた質問にお答えする。
      • 監査証跡の定期的レビューをどのようなタイミングで行えばよいのか
      • 監査証跡の定期的レビューをどのような方法で行えばよいのか
      • 監査証跡機能がない場合どのように対応すればよいのか
      • 監査証跡機能がないと査察で指摘されるのか
      • 監査証跡はどのようにバリデートすればよいのか
      • 試験関係者がシステム管理者になるとなぜ指摘を受けるのか
      • HPLCのプリントアウトを生データとすると指摘を受けるのか
      • データインテグリティはどのように査察されるのか
      • 工程内検査のインテグリティは査察されるのか
      • 個別のアカウントを設定できない器機/システムは更新が必要か
      • 電子生データはどのように管理・運用すればよいのか
      • スタンドアロン機器のデータインテグリティ対応はどの程度必要か
      • ハイブリッドシステムはどのように対応すればよいか
      • FDA査察をのりこえるにはどのような対策が必要か
      • 治験薬における対応はどの程度必要か
      • リスク対応はどのように行えばよいのか
      • OOS処理の査察指摘はどのようにすれば回避できるのか
      • LIMS導入はデータインテグリティ対応となるか
      • Empower 3等のCDS導入はデータインテグリティ対応となるか
      • バックアップの定期的リストアテストは必要か
      • ALCOAをベースにGAPチェックリストを作ろうとしたが難しい
      • 試験実施者に解析メソッド作成・変更の権限を与えて良いか
      • 同じ分析装置にGMP試験とGMP適用外の試験を混在させてよいか
      • 電子記録バックアップの隔離保管は必要か
      • システム管理を行うIT職員にGMP教育は必要か
      • OSへの共通IDログインは許容されないのか
      • スプレッドシートのデータインテグリティ留意点
      • LIMSやSDMSへデータを吸い上げたら分析機器のデータを削除してよいか
      • デジタル画像を生データとする場合、何に注意すればよいか
      • 機器使用台帳 (機器使用ログ) に何を記載しなければならないのか
      • AIの使用は認められるか
      • コンピュータ化システムの再バリデーション頻度はどの程度が適切か
      • バリデーション資料はどの程度の期間保存する必要があるか
      • CDやDVDの劣化確認方法
      • バックアップHDDの点検頻度
      • アジャイル型開発は認められるか
      • サーバーのシステム管理者アカウントを共有してよいか
      • 崩壊試験や呈色滴定などのDI対応方法は
      • 装置や機器のエラーをQAに報告すべきか
      • ミラーリング (RAID1) はデータバックアップになるか
      • 業者保守作業における監査証跡のレビューは必要か
      • 検量線と面積計算のバリ資料を査察で求められた時の対応は
      • イベントログの定期レビューを査察で求められた時の対応は
      • CMCなど研究開発におけるDI対応は
      • バックアップ/リストアの要件とその対応方法は
      • 旧システムのデータが新システムで異なる結果となる場合の対応方法は
      • 見読性の長期維持方法は
      • 電子署名した電子記録をシステムから取り出してよいか
      • 電子署名した電子記録のプリントアウトに手書き署名は必要か
      • PDFを編集できると査察指摘を受けるか
      • 装置バリデーションにおけるURS必要性の指導方法は
      • デジタル署名と電子署名の使い分けは (リモートワーク対応)
      • 電子文書を電子的に照査・承認する方法は (リモートワーク対応)
      • パスワード定期変更の頻度は
      • バリデーション指針とはどのようなものか
      • エクセルの保護機能破り対策は
      • CSVをはじめて要求された装置メーカの対応は

CSV、ER/ES、データインテグリティ、スプレッドシートなど日常の業務において困っていることや疑問などにお答えします。講演当日の活発な質問は大歓迎ですが、質疑応答時間に限りがありますので、1週間前までにご提出いただいた事前質問への回答を優先いたします。

別冊付録

各極データインテグリティガイダンスの邦訳や解説資料を電子ファイルにてご提供する。
600スライドを越す講演テキストを補完する詳細を習得していただける。

付録CD

データインテグリティの詳細資料、Part 11、Annex 11、CSV関連の解説や邦訳など、200ファイル余を収載したCDをテキストと共にご提供する。

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