準ミリ波・ミリ波を使った車載用レーダ (24GHz、76GHz、79GHz) がコモディティ化し、最近では、第5世代移動通信システム (5th Generation:5G) においても、28GHz、39GHzを皮切りに準ミリ波・ミリ波帯の利用がスタートした。そして世界は今、5Gの次の世代 (Beyond 5G: B5Gあるいは6G) に向け、本格的な研究開発を始めているが、そこでは5Gよりも一桁高い100Gbit/sもの無線通信速度を目指している。そのため、より広い帯域が確保できる100GHzを超える周波数、すなわちテラヘルツ帯の電磁波 (THz波) の利用が現実的な視野に入ってきた。現在、世界各国でTHz波の無線通信応用に向けた研究開発が活発に進められているが、THz無線の適用領域は、上記の移動体通信システムに限らない。データセンタネットワーク、機器内配線、さらには衛星間通信への応用が考えられている。
本講演では、最近の進展について基盤となる技術を中心に解説し、標準化や周波数割当の状況、さらにレーダ等のセンシング応用の動向についても触れる。
- テラヘルツ波とは
- テラヘルツ波を扱うための基盤技術
- 発生・検出技術
- 周辺技術
- 測定技術
- 応用技術の基礎と最新動向
- 通信応用
- レーダ、センシング応用
- 今後の展望と課題
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