現在、携帯電話や無線LANといったデジタル変調技術を用いた高周波機器が身の回りに多数ある。それらの身近な機器を使いこなすことは中学生でも可能だが、動作原理を理解して高周波関連の技術を習得することは大学院生でも容易ではない。 高周波技術が難しい原因はいくつか考えられるが、「測定器が高価で気軽に使うことが出来ないため、そもそも何が起こっているのかを把握することさえ困難だ」ということもその一つであろう。以上を踏まえ本講座では、高周波用の測定器による「デジタル変調を用いた無線通信機器」の特性評価を疑似体験することを目標としている。 本講座を受講すれば、単に測定器の知識が得られるだけではなく、測定対象となった高周波機器の動作も同時に理解することが出来るだろう。なお、初学者を対象としているので、デジタル変調技術の基礎から説明を始めて、高周波測定器の動作原理、実際の測定を行う際の注意にも言及する。