NMR分析による高分子材料の構造、物性及びダイナミクス評価

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本セミナーでは、NMR法による高分子材料分析の基礎知識や最新テクニックを解説いたします。
また、物質拡散現象の評価手法の基礎原理から実施例についても解説いたします。

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核磁気共鳴 (NMR) 法は高分子の分析になくてはならない方法の一つですが、今なお発展を続けており、関連知識の獲得は際限がなく、且つ専門レベルも決して低くありません。したがって,スキルアップに不安や戸惑いを覚えることは必然といってもよいでしょう。NMR法の語り口の一つとして、“数ある分光学的手法の中では最も低周波であるラジオ波を用いるので、最も多くの構造情報を引き出せる方法である”と覚え、有効に活用していきたいところです。  本講演ではNMR法による高分子材料分析の基礎知識から最新テクニックまでをわかり易く解説します。高分子材料を分析対象としますので、高分子化合物に特徴的な「構造の階層性」を念頭に置きながら話を進めます。分析業務や素材開発に携われている方にとって、なにかと役立つトピックスをできるだけ実施例を交えて紹介します。

  1. 機器分析におけるNMR法の位置付けについて
    1. 分光学的手法の分類とNMR
    2. いろいろなNMR法
    3. NMR法で得られる実験データとそこからわかることの概観
  2. 高分子の階層構造について
    1. 一次構造
      • 化学構造
      • 立体規則性
      • 共重合組成
      • 分子量と分子量分布
    2. 二次構造
      • コンホメーション
    3. 高次構造
      • 結晶構造
      • 結晶化度
      • 凝集構造
  3. NMR法の原理の基礎 – はじめに知っておきたいこと
    1. 核スピンとは?
    2. 共鳴条件
    3. 自由減衰振動 (FID) とフーリエ変換
    4. 化学シフト値
    5. 核間相互作用 (二重共鳴法と分裂パターン)
  4. 溶液NMR法で一次構造解析をする
    1. 化学シフト値と積分強度
    2. 分裂パターンと化学結合ネットワーク
    3. 各種2次元NMR法の活用
    4. 溶液NMR用プローブ (NMR信号検出器) の種類と特長
    5. 立体規則性 (タクティシティー) 解析
    6. 共重合体組成・配列の解析
    7. 分子量・分子量分布の解析
  5. 固体NMR法で二次および高次構造解析をする
    1. 固体NMR用プローブ (NMR信号検出器) の種類と特長
    2. 化学シフト値と高次構造
    3. 双極子相互作用と高出力デカップリング
    4. マジック角高速回転 (MAS)
    5. 交差分極 (CP) 法
    6. 各種緩和時間
    7. 動的構造評価による結晶化度の推定
    8. スピン拡散とポリマーブレンド等におけるモルホロジー解析
    9. 化学シフト異方性と配向構造の解析
    10. 結晶構造の解析例
    11. 局所分子運動の解析例
  6. 高分子の構造と物性を結び付ける
    1. 材料中における異分子の存在状態・拡散性の評価
    2. ガラス状態の自由体積部分に関する評価
    3. 気体拡散特性の解析

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