本セミナーではリチウムイオン電池を構成する、原材料と部材の供給網、いわゆるサプライ・チェーンに関して考えてみたい。2021年の現在、このサプライチェーンの問題が予期せぬ問題として、自動車産業始め多くの製造業に深刻な影響を及ぼしている。
サプライ・チェーン、及びその マネジメントの重要性は、今に始まったことではない。トヨタの「カンバン方式」などはその典型であり、高い生産性と品質は、技術のみならず時間とコストの中での、合理化を突き詰めた成果である。
今回このサプライチェーンがクローズアップされたのは、予期せぬ新型コロナウイルス感染に伴う、経済社会の混乱がメインである。更には半導体工場の火災や、幾つかの国家の政治的な混乱なども含まれる。我が国の場合は更に、地震、津波、台風、豪雨と心配の種は尽きない。
現在進行中の自動車の脱炭素=非ガソリン化と、それに伴う3桁GWh総量の電池生産において、このサプライチェーンの問題は短時間の内に、大きな壁となってEV化の行く手を阻むであろう。EVにとっては電池のサプライチェーンが、電池にとっては原材料と部材のサプライチェーンが相当する。
本セミナーにおいては、EV電池の化学系、金属系と樹脂系それぞれの原材料の、サプライチェーン上の課題や、主要メーカーの動向を解説する。更には筆者の経験の範囲で、電池製造において原材料の選定幅や、製造工程の柔軟性を拡げ、積極的にサプライチェーンの制約をクリアするスキームなども提案したい。
- EVなど電動化の現状と代替スキーム
- 2020コロナ禍から2021現状、欧米、中国と日本
- EV (zEVとNEV) の比率の急増と推移
- 2030年 vs. 2035年スキーム (国、地域と各社)
- EV発火事故、リコールなどの課題
- EVの拡大と電池総量GWhの推移
- 電池容量kWhパラメーターと総容量GWh
- 電池コスト\/kWhパラメーターと市場規模
- 2021年以降の電池製造計画
- リチウムイオン電池の元素資源 (Co、Ni、Li)
- 電池の総GWhに対する正極材の主要量
- 元素資源リサイクルの必要性
- 関連事項
- リチウムイオン電池製造のサプライチェーン (原材料と部材)
- 正・負極材など化学系材料
- セパレータ、集電箔とバインダーなど非化学系材料
- 原材料と部材のサプライチェーンと基盤産業との関係
- サプライチェーン課題への対応策、セル設計幅と工程の許容範囲
- まとめ
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