商品・サービス開発に向けた消費者行動の理解と感性工学

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本セミナーでは、視覚・聴覚・嗅覚・触覚を通じて、消費者がどのように商品・サービスを知覚するかを踏まえて、あるべき価値づくりの考え方について解説いたします。

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消費者は、多くの状況要因の影響を受けながら、主観的に購入の意思決定を行っている。客観的には同じ価値であっても、主観的に価値は変動するため、消費者の環境が考慮できていない商品・サービスは迎合されない。
消費者の認知を文脈によって導くことで、少ないコストで自社商品の差別化や優位性を確保できることから、マーケティングは文脈の設定作業とさえ言われる。よって、技術や性能という客観的要素ではなく、主観的要素の検証をせずに、商品・サービスの企画開発は困難である。  本講座では、視覚・聴覚・嗅覚・触覚を通じて、消費者がどのように商品・サービスを知覚するかを踏まえて、あるべき価値づくりの考え方を述べる。また、最近多くの話題が生まれているディープラーニングの現状と限界についても触れる。

  1. 主観的に価値を判断する消費者
    • 商品・サービスの「技術・性能」よりも「五感で得た知覚と記憶」を重視しているか?
    • 味覚よりも影響力の大きい色を商品・サービスに活用しているか? (性能を超える効果を持つ色)
    • 消費者の購入意向を高める商品・サービスのブランド名を検証しているか? (瞬時に判断される音)
    • 商品・サービスを利用するときの香りまで設計しているか? (経験価値を左右する香り)
    • 消費者の記憶は事実と異なって形成されることを認識しているか? (事実に解釈が加わる自伝的記憶)
    • 積み上げたコストと欲しい利益から価格を決定していないか? (知覚価値に基づいた価格設定)
  2. 「壊れない」では不十分な品質:知覚品質
    • 品質には美しさや快適さが含まれることを認識して、商品・サービスの品質検証をしているか?
    • 消費者の知覚で検証をせずに、シミュレーションで終わらせていないか?
    • デザインにおいて、知覚品質を置き去りにして、スタイリングばかりに気を取られていないか?
    • 性能・技術より価値の高い顧客経験 (user experience, UX) を研究・開発しているか?
    • 知覚品質を醸成するCMF (Color, Material, Finish) の専門家を自社に配置しているか?
    • デザイン+エンジニアリングという両輪の組織が同じ目的で機能しているか? (dysonの強み)
  3. 消費者の感性を科学する感性工学
    • 商品・サービスのコンセプト具現化にあたって、感性工学を適用しているか?
    • 消費者にバイアスを与えずに感性を抽出する純粋想起を重視しているか?
      (文章から感性を抽出する自然言語処理の基本と限界)
    • デザインの評価に回帰分析を使ってしまっていないか?
      (デザインという総合体を評価するディープラーニングの基本と限界)
    • 感性を繊細に表現するオノマトペを開発にいかしているか?
    • 自動車を対象にした具体的事例
      • デザインの機密性を保持したまま消費者の感性で評価する方法
      • 実空間とVR空間でデザイン評価をした場合に生じる差異
      • スタイリングではなく、知覚品質が消費者の支払意思額に与える影響

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