新たな環境発電技術の研究開発動向

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
オンライン 開催

本セミナーでは、CNT薄膜を用いた透明・伸縮性を有する摩擦帯電型発電シート、究極の柔軟性 (=流動性) を持つ、「液体」エレクトレット材料とそれを用いた伸縮性振動発電素子、空気の湿度変化を利用して発電する湿度変動電池 など、これまでの環境発電技術にはない機構、特徴を持ち、応用分野・設置場所の拡大可能性を有する先端研究例を解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 「環境発電の実用化動向と今後の進展が期待される新技術」

(2021年10月20日 10:30〜12:00)

 環境発電が世界的に注目され始めたのは2010年前後である。それから10年が経過し、当時話題になった企業はほとんどが倒産・撤退した。一方、ここ数年でソフトバンク・ビジョン・ファンドなどから資金調達に成功する新興の環境発電企業が増加し、市場の拡大が近いことが予想される。また持続可能な社会の実現に向けて、環境発電の研究開発も世界的に盛り上がっており、興味深い新技術が数多く現れている。  本講演では、世界の新興企業が主導する環境発電実用化の最新動向をフォローするとともに、今後の進展が期待される新技術の数々を紹介する。

  1. 環境発電の実用化動向
    1. 過去10年間に何が起き
    2. 期待の新興企業
  2. 今後の進展が期待される新技術
    1. 欧州電池規制と環境発電支援プロジェクト
    2. 注目される新規発電技術

第2部 「CNT薄膜を用いた透明・伸縮性を有する摩擦帯電型発電シート」

(2021年10月20日 12:50〜14:00)

 摩擦帯電型エネルギーハーベスタは人の動作などの低周波の運動から発電することが可能であり、自己給電型ウェアラブルデバイスの電源として期待されている。ウェアラブルデバイスにおいては人体の動的な3次元表面に追従する必要があり、高い伸縮性が要求される。  本講演では、カーボンナノチューブ薄膜電極を用いることにより、高出力かつ優れた伸縮性をもつシート状の摩擦帯電型エネルギーハーベスタについて紹介する。

  1. 摩擦帯電型エネルギーハーベスタの基礎
  2. カーボンナノチューブ薄膜材料の成膜技術と各種特性
  3. 透明かつ伸縮性をもつ摩擦帯電型発電シート
  4. 間欠動作回路による電子デバイスの駆動

第3部 「液体」エレクトレットの創成とそれを用いた伸縮性振動発電素子

(2021年10月20日 14:10〜15:20)

 医療応用や様々な環境・構造的制約の中、圧電・振動発電素子等に要求されるのはその成型自由度と伸縮・柔軟性です。多くの無機固体から構成される圧電・振動発電機能を有すエレクトレット材料に替わり、柔軟性・加工性に有意なポリマーエレクトレットの開発が注目されています。しかしながら、過度な伸縮、折り曲げ、形状を問わない加工性に関しては、未対応な状況でした。  今回、エレクトレット材料において究極の柔軟性 (=流動性) を持つ、「液体」エレクトレットの開発に成功しました。伸縮性振動発電素子の試作例なども含め紹介します。

  1. 次世代エレクトロニクスにおける柔らかな材料への期待
  2. 機能性有機液体材料の創成
    • 分子設計
    • 発光性液体
    • 液体フラーレン
  3. 次世代有機エレクトロニクスに向けた材料提案
    • エレクトレットに関して
    • 液体エレクトレット
    • 伸縮性振動発電素子
  4. 今後の展望
    • 共役ポリマーの液化技術、応用例の紹介

第4部 「空気の湿度変化を利用して発電する湿度変動電池」

(2021年10月20日 15:30〜16:40)

 長年、様々な環境発電技術が開発されてきましたが、ほとんどの環境発電技術は利用するエネルギー源に依存して設置場所の制約を受けるものでした。  本講演では、我々が設置場所の制約の少ない環境発電技術を目指して開発した、湿度変化を利用して発電する湿度変動電池とその将来的な可能性について解説します。

  1. 環境発電と場所の制約
  2. 湿度を使った環境発電
    1. 湿度変化による発電とは
    2. 多孔質固体を使った湿度発電素子
  3. 湿度変動電池
    1. 湿度変動電池の原理
    2. 湿度変動電池の性能
  4. 今後の展望

受講料

複数名受講割引

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

ライブ配信セミナーについて