第1部. 研究開発テーマにおける 費用対効果の考え方と投資判断
~イノベーション時代の費用対効果を含めた実践的評価の考え方~
(2021年11月15日 10:00〜12:00)
イノベーションの必要性・重要性に対応して企業の開発部門の事業貢献に対する期待はますます大きくなっている。しかし特に不確実性の高い、イノベーションを伴うテーマにおいての選定・評価さらに投資判断の考え方はまだまだ大きな課題として残っている。このため、まずはその目的(事業の革新性と進捗ステージ)、すなわち費用対効果の「期待効果」の部分を整理していくことが大切になる。
本講演では、新規事業のテーマの選定と評価を「目的」と「時間軸」に区分して、選定と評価の考え方と投資判断のタイミングや内容を整理し、経営者と技術者双方がWin-Winになる実践的な考え方を示していく。
- 研究開発の事業化への時系列的ポジショニング
- R&Dマネジメントとイノベーション
- 研究開発から事業化にいたる具体的イメージ
- 経営側から見たR&Dへの期待変化と対応
- イノベーションと不確定性が大きいテーマにおける定性的、定量的評価方と考え方
- 研究開発・事業化テーマ評価の基本
- イノベーションを起こす研究開発テーマの位置づけ
- イノベーション時代の未来の不確定さの考え方と定性評価
- ステージ (ゲート) 法の概要とその関連評価法
- 時系列的評価と空間的テーマ評価法
- ステージゲート法の基本的考え方
- ステージゲート法の特徴、効果と各種評価法
- イノベーション展開への事業価値をどう算出し、費用対効果、投資判断の実践的考え方
- イノベーション展開への費用的な考え方の基礎
- 未来の事業価値をどう算出するか
- 費用対効果を実践的評価にどう役立たせるか
- まとめ:答えがない未来の価値をどう投資評価するか…
第2部. 研究開発の売上などへの貢献度と 考え方、算出法
(2021年11月15日 12:45〜14:45)
技術経営においては、研究開発による刷新的な技術の確立で常に新商品を創出し、企業経営を継続的に安定させることが求められています。このためには、開発中期から外部環境調査と適社性を考慮しながら投入する人・物・金・情報の有効活用と売上を含む様々な成果を設定する事が大切です。しかし、この成果を定量的に評価するためには、組織改革や運用方法の見直しなどの仕掛け作りや数値化の工夫が必要です。特に定量化に当たっては、数値の信頼性を向上させるためのマーケティング活動を研究開発活動と併用する方法が効果的であることを見出しました。本講では、一方的な講演ではなく、時間のゆるす限り皆様とのQ&Aが出来ればと考えています。
- 研究開発の成果を得るために大切なこと
- 成果の出やすい社内体制作りと運用方法の見直し
- 研究開発活動とマーケティング活動との併用
- ステージゲート法による研究開発の進捗管理
- 売上に貢献する新商品のプロモート活動
- 学会・展示会の有効活用
- 研究開発活動の進捗評価
- 研究開発活動における成果とは
- 研究開発活動の半定量評価
- 開発事例紹介「厚さ方向800W/ (m・K) 熱伝導シートZebro」
第3部. 事業性評価における損益分岐点の活用方法
(2021年11月15日 15:00〜17:00)
事業収益を売上総利益 (粗利) 、営業利益のレベルで話を進めていきたい。つまり、単純に最低どれだけの売上高を出せば黒字になるかを考え、その売上を算出するための定量分析の代表的なツールが損益分岐点である。経営者は損益分岐点を把握することにより①あるコスト構造下で売上高や費用経費が変わったときに、どれだけの利益が得られるか、②コスト構造が変わったときに売上高や費用経費が、どのようなレベルであれば利益を維持できるか、などを判断することができる。
現実の社会では、複数の製品や事業を保有している企業が多く、製品構成や事業構成などによって収益構造が変わってくる。そこで、正確に将来を予測できない、その不確実性を確率的に捉え、ディシジョン・ツリーというチャートを活用しながら投資事案を考えてみる。
- 投資・収益レベルの捉え方
- 損益分岐点分析とは
- 固定費と変動費の考え方
- 損益分岐点分析を活用した収益構造変動の把握
- 複数製品・事業の損益を判断する場合の投資の考え方
- 複数の投資案件を判断する場合の留意点
- 期待値論の活用
- ディシジョン・ツリー手法の活用
- 損益分岐点分析とディシジョン・ツリーとの応用
- その他、配慮すべき課題
- サンクコストの考え方
- 蕎麦屋のケース
- プロスペクト理論の応用
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