第1部 抗菌、抗ウイルス、抗バイオフィルムのための表面処理とその対策動向
(2021年10月15日 10:15〜11:15)
本講義では、モノを介した感染を抑える技術となる、そのモノ自体に抗菌・抗ウィルス機能を付与できる表面処理に関して、材料設計を行うための指針とそのメカニズムについて基礎から解説します。また、この理解に必要となる、細菌やウィルスの構造とその感染のしくみから、それらの増殖をどのような方法で防げば良いのか、について説明します。さらに、最近の抗菌性・抗ウィルス性表面処理に関し、トピックとなる技術や研究について紹介します。
- ヒト-モノ-ヒト感染における「モノ」の表面の重要性
- 細菌・ウイルスの材料表面での様態
- 抗菌・抗ウイルスのための材料表面設計
- どのように増殖を抑えるのか
- 材料表面を設計するための指針
- 「殺菌・不活化」のしくみ
- 活性酸素
- 金属イオン
- 「付着防止」のしくみ
- 表面形態
- タンパク質吸着抑制
- 表面特性 (疎水/親水・電荷) の影響
- さまざまな表面処理技術・研究
- 細菌の増殖抑制のための表面処理
- ウイルスの不活化のための表面処理
- 最近の研究の方向性から
- バイオミミクリー (ナノ構造の利用)
- ナノカーボン材料の利用
- 抗菌と生体適合性の両立
- まとめと今後の課題
第2部 真空蒸着による基材表面の抗菌化処理
(2021年10月15日 11:25〜12:25)
自社製品の抗菌・抗ウイルス処理をどのような方法で行うかを検討しているメーカー様に対しては、真空蒸着法での抗菌薄膜処理という新たな選択肢をご提供できます。また、既に光学薄膜や機能性薄膜を真空蒸着でコーティングを行っているメーカー様には、新しい機能として抗菌・抗ウイルス薄膜を作製できる蒸着材料の使用方法・特性についての知識をご紹介できると考えております。
- 真空蒸着とは?
- 真空蒸着法の原理
- 利点、利用分野
- 蒸着材料として使用される物質
- 真空蒸着で成膜できる抗菌・抗ウイルス材料
- 市販の抗菌・抗ウイルス材料の蒸着材料化
- 抗菌材料を真空蒸着で薄膜化する際の問題点と改善方法
- 真空蒸着で作製した抗菌薄膜の各種特性
- 光学特性と機械的特性
- 抗菌力、防カビ、抗ウイルス性
- 薄膜中に含まれるAgの定量と分散状態の確認
- エネルギー分散型蛍光X線分析装置による分析
- 全反射蛍光X線分析装置による分析
- X線光電子分光分析装置による分析
- 真空蒸着で作製する抗菌・抗ウイルス薄膜の課題
- 光学特性の確保
- 眼鏡レンズ、タッチパネルへの適用
第3部 光触媒を利用した抗菌・抗ウイルス性コーティング剤の開発
(2021年10月15日 13:10〜14:10)
本講義では、衛生面で近年注目されている光触媒を用いた抗菌・抗ウイルス技術について、光触媒を“使う側”の目線も踏まえつつ、分かりやすく解説します。光触媒がどのようなもので、どうやって使うものなのか、という基礎的なところからスタートし、実際のコーティング液製品化における工学的なアプローチ方法や施工現場での課題とその解決例に至るまで、豊富な図・具体的な例を交えて解説します。理論・実用の両側面で、総合的な学びの機会にいたします。
- 光触媒とは
- 身近にある光触媒の技術
- 光触媒の歴史、市場
- 光触媒の材料・原理・製品化
- 光触媒反応の仕組み
- 光触媒に用いられる材料
- 酸化チタンの性質
- 可視光応答型光触媒
- 光触媒と抗菌・抗ウイルス
- 細菌とウイルス
- 抗菌・抗ウイルスとは
- 実証試験例
- 光触媒製品の実用例
- 光触媒コーティング液の塗布・施工
- 実施工例
第4部 昆虫の羽構造のバイオミメティックスに基づく新しい抗菌・抗ウイルス技術
(2021年10月15日 14:20〜15:05)
昆虫の羽にはナノオーダーの微細突起構造を有し、この構造によって昆虫の羽は菌やカビから守られており、その原理は鋭利なナノ構造による物理的なダメージで対象を不活化するという大変ユニークな方法に基づく事が発見されました。
株式会社KRIは、この昆虫の羽のナノ構造を人工的に再現したバイオミメティクスナノ構造形成プロセスによって、身の回りにある様々な構造体の表面に抗菌、防カビ、抗ウイルス機能を付与する技術を開発しました。
本講座では、物理的殺菌能という新しいアプローチに基づく機能を発揮するバイオミメティクスナノ構造の特徴、形成プロセス、ナノ構造の形成事例、菌、カビ、ウイルスに対する不活化効果等の基本的な特性をご紹介し、更に本技術の特徴を活かした好適なアプリケーションイメージ、及び実用化事例についてご紹介いたします。
- 会社紹介:KRIについて
- 自己紹介、本研究の開発に至った背景
- 技術背景:衛生保持技術ニーズの高まり
- 既存衛生保持技術と課題定義
- 新しい概念に基づく殺菌効果の発見
- 昆虫の羽表面の微細突起ナノ構造による物理的なダメージに起因した殺菌効果、防カビ効果
- 昆虫の羽構造を人工的に模倣したバイオミメティックスナノ構造による物理的殺菌効果の実証
- ブラックシリコン:構造例、作製方法、実用化における課題点
- 物理的殺菌能を有するバイオミメティクスナノ構造の実用化にむけて
- 開発した2つのナノ構造形成プロセス
- ナノ構造成長法:プロセス概要、ナノ構造形成事例
- ナノスパイク粒子塗布法:プロセス概要、ナノスパイク粒子塗布事例
- バイオミメティックスナノ構造の有効性評価事例
- 抗菌性能
- カビ抑制性能
- 抗ウイルス性能
- アプリケーションイメージ
- ナノ構造成長法
- ナノスパイク粒子塗布法
- 実用化事例
- 今後の研究展望
- KRI委託研究のご紹介
第5部 抗菌・抗ウイルス性能の評価試験方法と評価技術
(2021年10月15日 15:15〜16:15)
抗菌・抗ウイルス性試験方法と各種評価技術について紹介する。
- 抗微生物加工製品の性能評価方法
- 微生物の特徴
- 微生物試験方法の規格
- 微生物試験について
- 細菌を用いた試験
- 細菌について
- 抗菌性試験
- 一般社団法人繊維評価技術協議会によるSEK抗菌加工マーク認証
- 一般社団法人繊維評価技術協議会によるSIAA抗菌加工マーク認証
- ウイルスを用いた試験
- ウイルスについて
- 抗ウイルス性試験
- JIS L 1922 (ISO18184)
- ISO21702
- 一般社団法人繊維評価技術協議会によるSEK抗ウイルス加工マーク認証
- 一般社団法人繊維評価技術協議会によるSIAA抗ウイルス加工マーク認証
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
- 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
- 他の割引は併用できません。
アカデミック割引
- 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)
日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。
- 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
- 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
- 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
- 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
ライブ配信セミナーについて
- 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
- お申し込み前に、 視聴環境 と テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
- 開催日前に、接続先URL、ミーティングID、パスワードを別途ご連絡いたします。
- セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
- セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
- 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
印刷物は後日お手元に届くことになります。
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