第1部 リチウム空気電池の動作メカニズムと研究動向
(2021年9月22日 10:30〜12:00)
リチウム空気電池は、高い還元力を有する金属リチウムと、大気中の酸素を活物質として利用するため、リチウムイオン電池の2~5倍以上のエネルギー密度を実現することが可能であり、次世代蓄電池の最有力候補である。
実際に、500 Wh/kgを超えるセルも既に実証されており、リチウム空気電池の有する高いエネルギー密度の潜在能力は非常に魅力的である。
一方で、サイクル数、パワー密度は、現行のリチウムイオン電池に比べて低い性能にとどまっており、電池性能を向上させるための材料開発が急務である。
本講演では、高エネルギー密度なリチウム空気電池実現に向けた課題を整理の上、酸素正極 (空気極) の開発動向について紹介する。
- リチウム空気二次電池の構成と動作原理
- 実用的なセル設計の視点に基づいた評価の必要性
- リチウム空気二次電池酸素正極の課題とその解決方策
- 多孔性カーボン膜の開発と高エネルギー密度リチウム空気電池への適用
第2部 液相合成による空気極に使用する触媒セラミックス粒子の合成と微構造制御
(2021年9月22日 13:00〜14:30)
本講座では、金属空気二次電池の空気極への実装が想定される二元機能触媒材料の選択及び液相法による合成について取り扱います。
また粒子形状の材料の特性改善には、異なる材料同士を混合して複合化することで達成する場合が多いですが、本講座ではこのような混合による複合化ではなく、 粒子表面へのナノコーティングや静電反発力の制御による複合化などについても取り扱い、その効果について解説します。
- 金属空気二次電池で求められる触媒材料の選択について
- 液相法による触媒粒子合成の基礎
- 金属アルコキシド法を中心とした液相合成による触媒粒子の合成
- 液相合成した触媒の特性評価 (Ru系触媒を例に
- 触媒粒子の複合化 (粒子へのコーティングによる複合化を例に)
- 粉体工学的観点からの触媒粒子の実装時の微構造制御の可能性
第3部 亜鉛-空気二次電池の開発動向と高活性空気極材料の作製
(2021年9月22日 14:40〜16:10)
亜鉛空気二次電池の開発においては幾つかの困難な問題が挙げられるが、高性能な空気極 (正極) の作製は実用化おける不可避の最重要課題である。
空気極の構成極の構成要素において電気化学反応を担う触媒材料は、近年の著しい研究発展から要素において電気化学反応を担う触媒材料は、近年の著しい研究発展から性能を左右する要素が明確になりつつあるため、それらを総合的に解釈して触媒材料の設計指針を確立することが、実用化への確かな道筋となる。
本発表では、近年の空気極材料の開発動向を紹介すると共に、今後の研究開発における材料設計指針を解説する。
- 亜鉛空気二次電池の特長と優位性
- 亜鉛空気電池の構造と基礎
- 亜鉛空気電池の空気極に求められる性能
- 空気極材料の現在の課題
- 空気極材料の性能評価の基準
- 空気極触媒材料の開発動向
- 空気極材料の合成手法とキャラクタリゼーション
- 触媒の高性能化への取り組み
- 高耐久な空気極作製への取り組み
- 空気極材料の設計指針
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