燃料電池・アンモニア・水素を取り巻く最新動向とビジネス・チャンス

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本セミナーでは、電気自動車、燃料電池自動車、天然ガス自動車など次世代自動車の世界的な市場動向や各国の関連政策動向と車載用途も増え、更なる供給の逼迫が予想されるリチウムイオン電池原料 (リチウム、コバルト) の開発状況、価格動向について解説いたします。

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世界が、2050年にカーボンニュートラル実現へ向けて舵を切るなか、忘れられかけた燃料電池車の商用車部門の注目が強まっている。2020年における、歴史的ともいえる新型コロナウイルス感染拡大により、低炭素社会構築を起爆剤として、世界経済再生をはかる、グリーン・リカバリーを目指し、世界的に、燃料電池が見直されるようになってきている。  水素を燃料とする「究極のエコカー」燃料電池車は、電気自動車に対してガラパゴス化するとされてきた。しかし、電気自動車の核となる、リチウム・イオン電池と比較して、燃料電池は、①単位重量当りの大きな電気容量、②長い航続距離、③3分程度の短い充填時間等のメリットを活かし、米国のフォーク・リフト、燃料電池トラック、ドイツの鉄道、さらには燃料電池ドローンも登場している。日本は、長期的な低炭素社会、水素社会構築を見据え、2021年7月に開催された東京オリンピック後に向けて、燃料電池車の意欲的な普及目標を掲げ、補助金をはじめとして促進政策を行っているものの、欧米諸国においては、日本よりも燃料電池への熱心な注目が集まっている。中国も電気自動車に加えて、燃料電池車の開発に注力している。2014年12月15日には、世界最初の量産型燃料電池車MIRAI (ミライ) をトヨタ自動車が発売し、2016年3月10日にはホンダがクラリティーFCを発売している。世界全体で累計9,000台の販売を行っており、環境意識が強いカリフォルニア州において、3,000台の販売を記録している。2019年3月には、水素・燃料電池戦略協議会が、ロード・マップを策定している。定置型燃料電池、燃料電池車の普及、水素供給システムの確立、水素発電等の目標を掲げている。日本では、世界でいち早く量産化された家庭用燃料電池 (エネファーム) は、2021年4月には販売累計が35万台を突破し、2030年までに530万台に拡大するという意欲的な目標が出されている。米国カリフォルニア州、中国をはじめとして、世界的に、ZEV (炭酸ガス排出ゼロ車) の拡大が求められる中において、燃料電池車は、水以外の汚染物質を一切出さない。2020年以降に、日本が世界に先駆けて、安価な燃料電池車の普及を計画し、2025年には世界で180万台、日本で20万台とし、日本国内においては、2030年に80万台、2040年に300万台~600万台、航続距離1,000キロメートルという具体的な目標を設定している。世界の水素ステーションは3,100ヵ所に達すると見込まれる。政府は、2016年3月に、燃料電池車普及の強化を一段と強め、2019年に100ヵ所を超えた水素ステーションを、2020年に160ヵ所、2025年に320ヵ所という目標を定めている。今後2030年に向けて、燃料電池を利用した輸送用機械を世界合計1,000万台とする目標を設定し、燃料電池による次世代自動車用燃料として、水素、天然ガス、低品位炭の利用が大幅に増加することが見込まれる。  新型コロナウイルス対策として、中国、ドイツは、水素社会を国家戦略に位置づけている。2030年には国内の水素市場は1兆円、2050年には、水素ステーション、燃料電池車、水素発電所をはじめとした水素インフラストラクチャー市場は、日本で8兆円、世界で160兆円、関連市場も含めると270兆円規模という大きなビジネス・チャンスが期待できる。2021年7月21日には、エネルギー基本計画において、電源構成の1%に、炭酸ガスを排出しないアンモニアと水素を利用することを明記した。アンモニアは、水素とともに、石炭火力発電、天然ガス火力発電の炭酸ガス排出削減に有力なエネルギーとなることが期待されている。2050年には、世界のエネルギー需要の24%は、水素エネルギーが占めるという予測も行われている。他方、ホンダは、販売台数が1,900台にとどまることから、燃料電池車の販売を中止する。家庭用燃料電池、燃料電池車、燃料電池トラック、燃料電池バス、水素ステーション、水素発電をはじめとした水素エネルギーを取り巻く最新動向と、コロナ後を見据えた経済再生策と気候変動対策にかかわる事業のチャンスとリスクについて資源エネルギーの第一人者が分かりやすく詳説する。

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