工場、自動車、船舶などが使用している燃料由来のエネルギーの半分以上は排熱として未利用のまま捨てられています。これらの捨てている熱を「熱音響デバイス」を用いて回収し、電力や冷却・加熱に再利用する研究を行っています。熱音響現象を利用すると「熱入力から音波を介して仕事を取り出す熱機関」や「音波を入力することで熱を汲み上げるヒートポンプ (冷却・加熱) 」を実現することができます。そのため、これまでのデバイスには無い以下の特徴を持っています。
- 熱と仕事のエネルギー変換を行う際にピストンやタービン等の機械部品を必要としないため、本質的にメンテナンスフリーです。
- 工場排熱、自動車排熱、太陽光熱等、多様な熱源を利用したヒートポンプ (冷却・加熱) や発電システムを実現可能です。
- 本質的には可逆サイクルであるため、高いエネルギ変換効率 (先行研究では30%以上) を有しています。
- 可動部を有することなく、非温暖化ガスを用いたヒートポンプ (冷却・加熱) を実現可能です。
- 熱音響現象の概要
- 背景
- 熱音響現象の歴史
- 進行波型熱音響機関
- 熱音響デバイスの紹介
- 熱音響現象とは
- 熱音響デバイスの構造
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- Two – sensor法
- 様々な熱音響機関
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- 熱音響冷凍機・ヒーター
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- 多段熱音響デバイス
- 簡単な進行波型熱音響機関の試作
- 蓄熱器
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- 導波管
- 熱音響機関の課題
- 蓄熱器の流路、材質
- リニア発電機
- 熱交換器と入熱方法