本セミナーでは、個人向けの身近な製品にも搭載され始めたバイオメトリクス技術について取り上げ、様々な認証特徴・モダリティについて、身体的特徴・行動的特徴のそれぞれを活用した技術を解説いたします。
個人認証というと日本では一般に鍵や印鑑が個人の証明になります。もう少し信頼性の高いものでは、顔写真のついたパスポートや運転免許証も個人を証明するものになります。また、身近なところでは4桁の暗証番号やパスワード。実際に銀行のATMからお金を出すときに暗証番号を入力しているはずです。 さらに印鑑の風習がないアメリカや海外では、筆跡で認証することが主となっています。また、個人を特定するということでは、自身の肉体的な属性を使ったもの、例えばiPhoneの指紋認証や顔認証も一般化されています。 このうち、自身の肉体的な属性を使って個人を認証することをバイオメトリクスと言います。バイオメトリクスには2種類あって、1つが身体的特徴という終生変わらないもので個人を認証する方法です。顔、指紋、黒目の周りの光彩のしわの模様、静脈認証などです。こういうものは個人間で異なり、不変です。それに対して行動的特徴で個人を認証する方法もあります。これはいわゆる癖です。署名の書き方や歩き方といった行動の癖はなかなか他人が真似できるものではありません。 本セミナーでは、この両方の特徴を用いた様々なモダリティについて、バイオメトリクス研究室の研究成果も含めてデモを行いながら解説します。