触覚情報フィードバックの基礎と応用

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本セミナーでは、触覚フィードバック技術に必要な、触知覚の生理学的な基礎特性、触覚情報を検出するセンシング技術、触覚情報の提示技術とその応用、最近の動向について解説いたします。

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プログラム

近年のVR技術の進展に伴い、リアルな視聴覚体験に触覚情報を追加する触覚フィードバック技術に注目が集まっています。例えば夢かどうかを確かめるときに頬をつねることに象徴されるように、触覚は「そこにものがあるということを実感する」ための感覚であるため、適切な情報提示により、よりリアルな体験が創出されることが期待されています。近年では、超音波を利用したなにもない空間での触覚提示など、新しい技術も進展しており、今後さらなる発展が見込まれています。2019年の最も大きな触覚の国際会議では、所属別の発表件数でFacebook社が圧倒的一位になるなど、企業も積極的に乗り出してきている分野です。  本講義では、そのような触覚フィードバック技術に必要な、1) 触知覚の生理学的な基礎特性、2) 触覚情報を検出するセンシング技術、3) 触覚情報の提示技術とその応用について講義し、最近の動向と合わせて触覚関連研究を概説します。

  1. 触覚応用技術の現状
    1. VRと触覚
    2. 触覚のセンサとディスプレイ
    3. 触覚フィードバックの近年のニーズ
  2. 触知覚の基礎特性
    1. 皮膚の構造と触覚
      1. 受容器の種類と特性
      2. 身体部位による違い
      3. 神経の接続と分布
      4. 硬さの知覚
      5. 温覚・冷覚の重要性
    2. 触覚の錯覚
      1. 触覚はだまされやすい
      2. クロスモーダル錯覚
    3. 触覚と感性
      1. 触感の評価手法
      2. 触感を決める要素
      3. オノマトペと触感
  3. 触覚センシング技術
    1. 接触情報の変換手法の基礎
    2. 触覚計測の3分類
      1. 触れられる側にセンサを配置する
      2. 触れる側にセンサを配置する
      3. 接触状況を外から観察する
  4. 触覚提示技術 (最近の企業の動向を交えて)
    1. 空間的高解像度化から時間的高解像度化へ
    2. 非接触での触覚提示
    3. 情動の提示
    4. 動作の予測との組み合わせ

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