生理学的薬物速度論 (PBPK) 解析及びコンパートメント解析・非コンパートメント解析 (3日間)

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本セミナーでは、薬物動態解析の基礎となるコンパートメントモデルについての講義と演習を行います。

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プログラム

2021年9月10日「薬物動態解析入門1:コンパートメント解析」

 医薬品の開発にモデリング&シミュレーション (M&S) が益々重要になってきており、臨床においてはガイドラインが策定されている。M&Sは、臨床ばかりでなく非臨床においても重要であり、創薬段階から薬効・毒性予測、ヒトにおける薬物動態予測、薬物間相互作用予測に利用されている。しかしながら、M&Sを担う人材が不足しており、M&S担当者の確保・育成が急務と考えられる。本セミナーは、M&Sを担う薬物動態研究者を育成することである。  薬物動態解析にはコンパートメントモデル解析、モーメント解析、生理学的薬物速度論モデル解析、PK/PD解析等、モデルを用いない簡単な解析から複雑なモデル解析まである。高次の解析法を理解するためには、基本的な解析法の習得が必須である。本セミナーでは薬物動態解析の基礎となるコンパートメントモデルについての講義と演習を行う。

  1. モデリング&シミュレーション
    • 医薬品開発におけるM&Sの有用性
  2. コンパートメント解析とは
    • モーメント、PBPKモデルとの違い
    • コンパートメントモデルの有用性
  3. コンパートメントモデル
    • 静脈内
  4. コンパートメントモデル
  5. コンパートメントモデル
    • マルチコンパートメントモデル
  6. ラプラス変換について
    • ラプラス変換による微分方程式の解法
    • 演習
  7. 吸収プロセスを含んだモデル
    • 経口、インフュージョン
    • 反復投与
    • 蓄積比
  8. 薬物動態パラメータ
    • クリアランス、分布容積、AUC、半減期
  9. プロットによる解析
    • 残差法、シグママイナスプロット
  10. 最小二乗法
    • 最小二乗法について
    • 残差平方和、アルゴリズム、重み、赤池の情報量基準 (AIC)
    • ソルバーの使い方
    • 演習
  11. 数値計算
    • ルンゲクッタ法
    • シミュレーション例 (線形、非線形)
    • 演習
  12. 解析の実際
    • 解析解と数値計算によるシミュレーションの使い分け
    • うまく解析できない例
  13. 演習
  14. トピック:「コンパートメントモデル解析に関するトピック」 (日本薬剤学会発表予定内容)
  15. 質疑応答

2021年9月17日「薬物動態解析入門2: 非コンパートメント解析」

 薬物動態解析入門の第2弾は、非コンパートメント解析です。非コンパートメント解析としてモーメントとデコンボリューション解析があります。大学・企業ともに先ず行う最初の薬物動態解析は、モーメント解析です。コンパートメント解析に比べあまり取り上げられていないため、その重要性があまり知られていません。さらに、充分に理解していなことによるデータの誤解釈も見受けられます。モーメントとデコンボリューション解析は、データの特性を捉えるのに便利なため、モデリングを行う際にきわめて強力な武器になります。モデリング&シミュレーションを行うにあたり、非コンパートメント解析を理解している、していないで、解析力に大きな差が生じます。うまくデータがモデルにフィットしない原因が、かなりの確率で解消されます。簡単であり、奥が深い、解析法です。すべての薬物動態研究者が理解しておくべき必須の解析法と考えます。

  1. 医薬品開発における薬物動態解析
  2. モデル非依存解析がなぜ重要か?
  3. モーメント解析 (知っていそうで知らないモーメント解析)
    1. モーメント解析とは (平均滞留時間 (MRT) 説明できますか?)
    2. パラメータの意味と求め方
    3. クリアランスと分布容積
    4. 尿中排泄データからの求め方
    5. ラプラス変換との関係 (コンパートメントモデルを例にして)
    6. 生理学的薬物速度論モデル解析との関係
    7. 非線形動態におけるAUC、MRT、分布容積
    8. 誤解釈を招く解析例
      • 演習
  4. デコンボリューション (吸収評価に有用、理解すると応用範囲が広い)
    • 演習
  5. Wagner-Nelson法 (徐放化製剤の評価に有用、シミュレーションも可能)
    • 演習
  6. Loo-Riegelman法
  7. 実際の解析への利用
    1. 吸収評価
      • モーメント
      • デコンボリューション
      • Wagner-Nelson法
    2. 代謝物の評価
    3. 生理学的薬物速度論で用いる組織モデルの構築
    4. 非線形動態におけるバイオアベイラビリティ評価 (Wagner-Nelson法) 等
  8. 演習
  9. 質疑応答

2021年10月1日「薬物動態解析入門3: 生理学的薬物速度論 (PBPK) 解析 (講義と演習)」

 薬物動態解析入門の第3弾、生理学的薬物速度論 (PBPK) モデル解析です。PBPKモデルでは生体を模倣したモデルであることから、生理的機能が変化した際の体内動態変動を評価・予測することができます。In vitroからのin vivo予測、薬物間相互間相互作用予測、肝障害、腎障害時の体内動態予測、加齢による機能低下時の予測など極めて広範な予測を行うことができます。多くの方は、市販ソフトを用い、PBPKモデルを1から組み立てた方は、少ないと思います。  本セミナーではPBPKモデルの基本とモデルを組み立てる際に必要なパラメータの取得と解析法を解説します。簡単なモデルからモデルを組み立て、シミュレーションを行い、シミュレーション結果を解析することにより、設定パラメータを算出するという演習を繰り返し行います。実際にデータをとり、解析を行い、PBPKモデルによるシミュレーションを行うことを疑似体験してもらいます。他の解析法も「こういう繋がりがあるんだ」と理解が深まります。

  1. 薬物動態解析における生理学的薬物速度論解析
  2. 組織クリアランスの考え方
    1. 組織クリアランス、抽出率、アベイラビリティ
    2. 組織モデル
      • 肝臓モデル
      • Well-stirred model, parallel tube model, dispersion model, 5-compartment model
      • 腎臓モデル
    3. PBPKモデルで必要なパラメータ
      • Rb値、血漿非結合型分率、肝固有クリアランス、糸球体濾過速度
    4. 演習
      • Fhの計算
      • In vivoデータからのFh, 固有クリアランスの計算
      • 血流律速、固有クリアランス律速の薬物の変化
  3. 分布容積
    1. Kp値と定常状態分布容積
      • Kp値は分布試験のT/Bでない
      • VssとVzの関係はここから始まる
    2. 演習
      • 定常状態分布容積の計算
      • タンパク結合率変化による薬物動態変化
  4. モデルの組み立て
    • 物質収支式の組み立て方
    • 肝だけのフローモデル
    • 肝+筋肉
    • 肝+筋肉+脳 (排出トランスポーターあるなし)
    • モーメント、デコンボリューションによるパラメータの算出
  5. 質疑応答

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