レオロジーを特許・権利化するための基礎科学、測定技術、データ解釈

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新材料の発明に際して特許を申請するとき、その請求項としては構造あるいは組成が主であり、物性はそれに付随するものとして取り扱われるのが普通です。しかし、ある機能を実現するためにレオロジー的性質が極めて重要で本質的である (臨界的意義を有する) 場合、既存の材料であっても進歩性という観点からレオロジー量やレオロジー式が特許として権利化されることがあります。技術的対象を特定するために数値範囲を限定した特許はパラメータ特許と呼ばれていますが、権利化のためには機能と数値範囲との関係を定量的に説明できることが要件となります。  本セミナーでは、高分子材料と微粒子分散系に焦点を絞り、レオロジー数値を特許とするために必要な基礎科学、測定技術、データ解釈について経験をまじえてわかりやすく解説します。

  1. パラメータ特許の概要
  2. 粘度および粘度曲線の特許化
    1. 粘度挙動の基礎
      1. 剪断流動場と剪断速度
      2. 定常剪断粘度の定義
      3. 非ニュートン流動 (擬塑性流動とダイラタント流動)
      4. 流動曲線と流動パターン
      5. 降伏応力
      6. チクソトロピー
      7. 履歴現象と平衡流動曲線
      8. 技術用語「チクソ性」のあいまいさ
    2. 粘性挙動とメカニズムとの関係
      1. 高分子の分子運動と分子形態
      2. 低濃度高分子溶液のゼロ剪断粘度と分子量
      3. 高分子鎖の絡み合い
      4. 高濃度高分子溶液の非ニュートン流動
      5. 微粒子分散系における粒子間相互作用と凝集
      6. 凝集分散系の非ニュートン流動
    3. 粘度測定における問題点
      1. 二重円筒型粘度計における剪断速度の不均一性
      2. B型粘度計による粘度測定
      3. JISに規定されている粘度測定の特徴
    4. 粘度挙動に関する特許の例
      1. 粘度値による特許
      2. 流動曲線による特許
    5. 粘度特許の解釈と技術的あいまいさ
    6. 特性値としての降伏応力決定法の例
  3. 動的粘弾性値の特許化
    1. 粘弾性の基礎
      1. 弾性と粘性の基礎
      2. マックスウェルモデルと応力緩和
      3. フォークトモデルと遅延弾性
      4. 正弦振動ひずみと正弦振動応力
      5. 動的粘弾性 (複素弾性率) の定義
      6. 動的粘弾性曲線の特徴
      7. 動的粘弾性曲線による固体と液体の判別
    2. 動的粘弾性とメカニズムとの関係
      1. 高分子の分子運動と温度
      2. ミクロブラウン運動とガラス転移
      3. 無定形高分子における時間 – 温度換算則
      4. シフトファクターの温度依存性
      5. 高分子の粘弾性挙動と分子量
      6. 高分子における高次構造性と粘弾性
      7. 分散系における微粒子の凝集と三次元網目構造の形成
      8. 凝集分散系の線形領域における動的粘弾性曲線
      9. 凝集分散系の非線形粘弾性
    3. 粘弾性に関する特許の例
      1. 線形粘弾性値に関する特許
      2. 非線形粘弾性値に関する特許
    4. 粘弾性特許の解釈と技術的あいまいさ
  4. 規格とレオロジー
    1. 粘度の規格基準
    2. 規格基準のあいまいさ
  5. パラメータ特許取得に係る経験と留意点
    1. 権利化しない選択
    2. 米国特許取得の経験談
    3. 学術論文と特許

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