2019年洗浄後の限度値設定に対して問題提起する大きな回収が2件発生した。この回収を含め、交叉汚染を防ぐ手段としての洗浄バリデーションに関しては、依然として多くの検討すべき重要な課題が存在している。そうした取組みの基本となるのがリスクに基づいた考え方ということになる。
本セミナーでは、リスクに基づいた洗浄バリデーションに焦点を当て、GMP下で行われる洗浄・洗浄バリデーションのための基本的なプロセス、評価のための残留限度値設定上の課題とその対応策、ホールドタイム設定、残留物評価のための分析方法とその検討課題、そして査察と指摘を受けた時の対応などについて、これまで実施してセミナーにおける参加者からの質問を基に解説を行う。また、最後に頂いた具体的な質問とその回答について代表的なものを紹介する。
- はじめに
- 回収事例にみる洗浄バリデーションのポイント
- Plan作成から始まるGMPが求めている洗浄バリデーションのプロセス
- 規制文書が求める洗浄と洗浄バリデーションのポイント
- JGMPにおける洗浄バリデーション
- EU GMPにおける洗浄バリデーション
- cGMP における洗浄バリデーション
- ASTM Internationalのガイド (E3106-18) における洗浄バリデーション
- 洗浄バリデーション実施に必要となる4つドキュメント
- バリデーションマスタープランとは
- マスタープラン作成上の留意点
- 洗浄バリデーションマスタープランに記載すべき事項
- 洗浄バリデーションマスタープランと洗浄手順書の関係
- 洗浄バリデーション実施計画書と報告書
- マスターバッチレコードと洗浄記録
- Logbook記載上のポイント
- リスクに基づいた洗浄バリデーションに対する具体的な取り組み
- リスクマネジメントを理解しよう!
- 洗浄におけるリスクとは何か
- 洗浄におけるリスクを考慮した施設とその管理
- 洗浄バリデーションにおける検討事項とQ&A
- 洗浄バリデーションの評価対象
- 洗浄方法 (マニュアル洗浄、CIP、SIP)
- ダーティホールドタイムとクリーンホールドタイム – 何を評価すべきか -
- ダーティホールタイムの設定方法
- クリーンホールドタイムの設定
- 残留限度値の設定の考え方
- 10ppm、0.1%、に科学的な根拠はあるか
- 具体的な計算事例
- 毒性に基づいた基準 – 90%の薬物については限度値が高くなる -
- 目視基準を残留性評価に利用できるか? – その条件と課題 -
- サンプリング上の留意点
- Swab法か、Rinse法か – なぜRinse法は、望ましくないのか -
- 回収率は、何%が求められるのか – 評価方法と望ましい回収率とは -
- 分析方法の選択 – TOCでの評価は可能か -
- 再バリデーションへの対応
- もう再バリデーションは必要ないのか? – 再バリデーションの現状 -
- ライフサイクルマネジメントと再バリデーション
- 作業者の教育訓練時の留意点とQ&A
- 教育訓練実施上の留意点
- 目視検査員の適格性をどう担保するか
- 査察にどう対応するか
- 査察手順と準備すべき文書
- 回答者が留意すべき事項
- 指摘事項の具体例
- 参加者の質問への回答 – 過去のセミナーでの質問に対する回答 -
- 例1.限度値の計算結果が検出限界以下となった場合にどうするか?
- 例2.専用設備での洗浄バリデーションをどう考えるべきか?
- 例3.ダーティホールドタイムは、なぜ必要か?
- 例4.微生物・エンドトキシンの限度値をどう考えるべきか?
- 例5.治験薬製造時の残留限度値についてどう考えるべきか?
- 例6.半固形製剤製造ラインの残留限度値をどう設定すべきか?
- 例7.製造終了当日に洗浄することを規定する場合であっても,時間単位でDHT を規定するべきか?
- 例8.分析用フラスコやビーカーに対する洗浄をどう考えるべきか
- 例9.洗浄バリデーション実施においては,装置1つ1 つについても検証が必要なのか?
- 例10.医療機器に対する洗浄バリデーションについて,どのように考えたらよいか。
- この他、実際の質問に対する回答を紹介します。
- まとめ
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