高分子材料の熱膨張メカニズムとその低減、評価

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本セミナーでは、固体材料の熱膨張制御を行うために必要な基礎知識について解説いたします。
熱膨張に関する測定について、例題を交えて解説しますのでより実務的な形で学んでいただきます。
また、負熱膨張性微粒子などの最新研究についても詳説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 高分子、複合材料の熱膨張メカニズムと低減対策

(2021年9月17日 10:30〜12:10)

 高分子材料に限らずセラミックスでも金属でも単一組成の物質は、加熱により膨張するケースが多い。ところがセラミックスやガラスの中には、加熱により収縮する物質も存在する。金属やセラミックスの熱膨張について、このような場合でも科学的に説明されているが、高分子の熱膨張について、科学的に説明が難しいだけでなく稀に驚くような変化に遭遇することもある。  熱膨張に限らず金属やセラミックス材料に比較して、高分子の熱物性は測定方法及びその結果について解釈が難しいにもかかわらず、学会で取り上げられる頻度も少ない。本セミナーでは、材料全体を俯瞰して「高分子成形体の熱物性研究の難しさ」をわかりやすくまず説明する。そのうえで、高分子材料の熱膨張を制御する技術について解説する。

  1. 材料の構造と熱物性概論
    1. 材料の熱分析技術
    2. 材料の構造の特徴と熱物性との相関
    3. SiCの熱膨張を事例にまとめ
  2. 高分子材料の基礎事項整理
    1. 高分子の分類と階層性
    2. レオロジー
    3. 高分子の評価技術とマテリアルインフォマティクス
    4. 高分子のプロセシング
  3. 高分子の熱膨張
    1. 測定技術の問題
    2. 熱膨張のメカニズム
    3. 熱膨張の制御技術

第2部 高分子材料の熱膨張制御と負熱膨張材料

(2021年9月17日 13:10〜16:25) ※途中、休憩含む

 高分子材料をはじめとする固体材料の熱膨張制御を行う際に必要となる材料学的基礎を修得します。高分子材料に対してフィラーとなる無機固体を中心に、熱膨張をはじめとする物理的性質、熱膨張の評価法を解説します。また、金属や高分子など様々な材料の熱膨張を制御する目的で関心が高まっている、「温めると縮む」負熱膨張材料について、その材料群とメカニズムを詳しく紹介します。さらに、これら負熱膨張材料はじめ無機フィラーを熱膨張抑制剤として含有する高分子複合材料について、実例をもとに、材料設計に必要な複合則や複合化で実現される機能、今後の課題などを解説します。特に、最近強く要求されているミクロンレベルの局所領域や微小部材の熱膨張制御に求められる負熱膨張性微粒子に関する最新の話題を紹介します。様々な例題を解き、歪ゲージによる熱膨張評価の手法を学ぶことで、熱膨張の評価を経験していない受講者に対しても、知識が研究開発の現場で応用できるよう配慮します。

  1. 固体の熱膨張
    1. 固体の成り立ちと物理的性質
    2. 格子振動と熱膨張
  2. 負の熱膨張
    1. 物質とメカニズム
    2. 従来型負熱膨張: 強固な共有結合の役割
    3. 相転移型負熱膨張
    4. 材料組織効果
  3. 固体材料の熱膨張制御
    1. 複合材料の熱膨張評価モデル
    2. 複合材料における熱膨張制御の実例
    3. 負熱膨張材料による熱膨張制御
    4. 負熱膨張性微粒子による局所領域制御

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