有機系固体電解質の開発と高機能化

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本セミナーでは、有機系固体電解質について取り上げ、セルの高密度化に伴う高耐熱技術、低温度域での活用に向けたSPEの開発指針について詳解いたします。

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プログラム

第1部 固体高分子電解質の研究動向と全固体電池適用への課題

(2021年8月4日 10:00〜12:00)

 固体高分子電解質 (SPE) は高分子特有の柔軟性を活かすことができる。 SPEの基礎 (塩溶解メカニズム、イオン輸送現象、高次構造の影響など) を解説し、実用化に向けた問題点や今後の課題について述べる。 さらにSPEに関連する最新研究動向についても紹介する。

  1. 第1章:基礎編
    1. 電解質材料の分類 (液体電解質と固体電解質)
    2. 固体高分子電解質の基礎
      • 歴史
      • 特徴
      • 構造
      • 塩溶解
      • イオン伝導機構
  2. 第2章:材料・測定編
    1. 固体高分子電解質の相図
    2. 錯体結晶化と高次構造の形成
    3. 高分子の開発動向
      • ポリエーテル型
      • ゲル型
      • ブレンド型
      • コンポジット型
    4. イオン伝導度、Liイオン輸率の測定
  3. 第3章:最新研究編 (演者による研究を中心に)
    1. 現状のまとめと課題
    2. 最近の研究動向
    3. 富永研究室の研究紹介
      1. 新規カーボネート型高分子の合成と電解質特性
      2. 高分子/無機フィラー複合体の可能性
      3. 固体ポリマー型Li電池の充放電特性

第2部 有機分子結晶を用いた固体電解質の開発と低温環境下への対応

(2021年8月4日 13:00〜15:00)

 全固体電池への期待が高まるなか、既報のセラミックス、ガラス、ポリマーとは一線を画す新たな固体電解質の候補として、分子結晶に大きな可能性があることを我々は見出してきました。  本講座では、我々が過去10年ほどに間に検討してきた分子結晶電解質の作製例とそこから得られた構造 – 物性相関に関する知見を概説するとともに、この知見を基礎として得た、低温下でも高いイオン伝導性を示す分子結晶電解質について紹介します。

  1. 固体電解質の新たな探索空間としての分子結晶
  2. 分子結晶電解質の作製と評価
  3. 分子結晶電解質の構造と伝導特性
  4. 分子結晶電解質の特性向上に向けた設計指針
  5. 分子結晶を固体電解質とした全固体電池

第3部 リチウムイオン電池向け高耐熱有機固体電解質の開発

(2021年8月4日 15:10〜16:10)

 脱炭素社会の実現に向け、電力グリッドや環境対応車両用電源に用いられるリチウムイオン電池 (LIB) システムには、高エネルギー密度化が求められる。LIBシステムでは、セルの安全性を担保するために冷却機構や安全部材が数多く用いられており、エネルギー密度低下の一因となっている。 そのため、LIBシステムの高密度化には、セルレベルでの耐熱性および安全性の担保が必要となる。  本講座では、セルの安全性向上を指向し、高耐熱電解質材料のひとつとして有機固体電解質を開発しLIBに適用した研究開発概要について紹介する。

  1. 脱炭素社会実現に向けたリチウムイオン電池研究へのニーズ
  2. 高耐熱性有機固体電解質の開発コンセプト
  3. 有機固体電解質を用いたラミネート型リチウムイオン電池の安全性実証
  4. 難揮発性電解質による有機固体電池の高エネルギー密度化
  5. 計算科学活用による有機固体電池の長寿命化
  6. まとめ・今後の展望

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