第1部 ミリ波対応材料の誘電特性測定技術
(2021年8月19日 10:30〜12:30)
近年、第5世代移動体通信 (5G) のサービス開始や、自動運転を見据えた先進運転支援システム (ADAS) に利用するミリ波レーダー技術の発展に伴い、ミリ波をはじめとする高周波技術に強い関心が集まっています。高周波回路では、周波数に応じた伝送線路の微細化が必要になることや使用する部材に起因した損失が増加するため、高性能化には使用周波数と部材の特性を考慮した設計が必要です。そのため、回路に用いる材料の電気的な特性を把握することが重要です。
本講演では、ミリ波回路に用いられる材料を対象とする電気特性評価技術について、様々な測定法の例を示しながら解説します。
- はじめに
- 複素誘電率について
- 周波数特性
- 複素誘電率測定の概要
- ミリ波で利用する伝送線路の評価技術
- ミリ波平面回路
- 平面回路の伝送特性
- 伝送特性評価
- ミリ波対応材料の測定技術
- 伝送線路法
- 共振器法
- 空胴共振器法
- トリプレート線路共振器法
- 平衡型円板共振器法
- まとめ
第2部 高周波誘電率の評価と高精度計測技術
(2021年8月19日 13:30〜16:30)
近年、高速大容量の無線通信を可能にするミリ波帯電磁波の利用が急速に拡大しています。5Gでは28GHz帯や39GHz帯などが利用される一方で、6Gでは通信性能をさらに大幅に向上するために、100GHz超の周波数帯の利用が見込まれます。一般に、回路の伝送損失は周波数が上がるほど増大するため、低損失化に向けた先端材料開発がポスト5G/6G実現のために強く求められます。その中で、誘電率の高精度な測定は、アンテナや基板など材料を利用した部材の設計に必須となるだけでなく、開発材料の優位性をアピールするためにも重要です。
本講座では、高周波基板に用いられる低損失材料や、電磁波吸収体に用いられる高周波材料に対するマイクロ波からミリ波帯における誘電率測定を解説します。目的に合わせた測定法の選び方から測定精度の評価方法までを説明いたします。
- 誘電率測定のニーズ
- ミリ波帯電磁波の利用拡大
- 材料の電磁波特性評価の背景
- 誘電率の異方性
- 誘電率の代表的な測定方法
- 誘電率の定義
- 代表的な測定方法①:反射伝送法
- 代表的な測定方法②:共振器法
- 誘電率測定における測定精度 (不確かさ) 評価の必要性
- 高損失材料の誘電率評価技術
- 反射伝送法の測定原理
- 測定精度 (不確かさ) 評価
- サンプル治具の影響
- 低損失材料の面内方向誘電率評価技術
- スプリットシリンダー共振器法の測定原理
- 測定精度 (不確かさ) 評価
- 測定可能範囲の解析
- 低損失材料の面直方向誘電率評価技術
- 平衡型円板共振器法の測定原理
- 測定精度 (不確かさ) 評価
- 測定可能範囲の解析
- 測定再現性の向上に向けた取り組み
- 測定周波数の170 GHzまでの拡張
- 誘電率測定のアンテナ設計への適用事例
- 超広帯域の導電率評価技術
- ミリ波帯導電率測定のニーズと現状
- 平衡型円板共振器による導電率測定の測定原理
- 測定の実施例
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