AIを用いた合成経路開発と反応条件探索の効率化

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本セミナーでは、マテリアルズ・インフォマティクスについて基礎から解説し、材料開発に機械学習を応用する際に起こる問題点とその解決策を分かりやすく解説いたします。

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プログラム

第1部. AI・ロボットを活用した自律的物質・材料探索とその展望

(2021年8月5日 10:00〜11:30)

 世の中が急速な勢いでデジタル化されつつある中、物質・材料開発の分野でも人工知能 (AI) を活用し、所望の特性を示す物質・材料を効率的に探索する潮流が生じている。しかしながら、物質・材料科学におけるこれまでのAIの活用は、理論計算や過去のデータベースに基づく候補物質の予測が主であり、その予測された物質をいかにして現実の世界で合成するか、が次なる課題となっている。  そこで本講演では、この1-2年で急速に進みつつある「AIとロボットを融合した自律的物質探索」に焦点を当て、実際に「モノ」が生み出されるまでの過程を紹介する。有機・無機などの物質系ごとに内在する事例や課題を紹介し、次世代の物質・材料開発を概観する。

  1. イントロダクション
    • 物質・材料科学へのデータ科学・人工知能の適用
  2. AIとロボットの活用した自律的物質・材料探索
    • AIを用いた候補物質探索
    • AIを用いた合成条件探索
    • ロボットを活用した実験作業の効率化
    • AIとロボットを組み合わせた自律的合成
  3. 実際の研究事例の紹介
    • 有機化合物合成の事例
    • 無機化合物合成の事例
    • 計測技術を融合した物質・材料探索
  4. まとめと展望
    • 今後の物質・材料開発の展望
    • 人材育成・活用について

第2部. AIによる逆合成解析とその活用事例

(2021年8月5日 12:15〜13:45)

 「人工知能 (AI) に任意の化合物のつくり方を考えさせる」、一昔前では夢物語とされていたことが近年のAI技術発展により現実となりつつある。本講演では、逆合成解析をするAIはどのような技術から成り立っているのか、またどのような化合物のつくり方を考えることができるのか、について解説する。

  1. 逆合成解析AIについて
    1. 歴史
    2. 逆合成解析AIの種類
  2. 知識ベース型逆合成解析AI
    1. Synthia?
  3. データ駆動型逆合成解析AI
    1. AlphaChem
    2. IBM RXN
    3. ASKCOS
    4. ReTReK
  4. まとめ

第3部. 有機化学における自動合成、フロー合成、機械学習の概説

(2021年8月5日 14:00〜15:30)

 AI、フロー合成技術、分析技術の進歩、労働力人口減少、 地経学的リスク増大、COVID – 19禍等により有機合成の自動・遠隔化の重要性が高まっている。あらゆる実験を自動化して高速で大量のデータを取得し、機械学習に供すれば新発見や技術革新につながるとの見方もあるが、演者は有機合成の分野においては「何を」自動・遠隔化、機械学習と組み合わせるかが特に重要と感じている。  本講演では世界の産学両分野における、フロー合成、自動合成、機械学習利用の最新成果について概説し、あわせて、演者の研究室での成果についても紹介するとともに私見を述べたい。

第4部. AIによる探索の精度向上のためのデータ収集・解析の進め方

(2021年8月5日 15:45〜17:15)

 本講座では、マテリアルズ・インフォマティクスの基本となるデータ収集・解析の基本的な事柄について解説する。物質データは一般にデータ取得コストが高く、また考慮すべき物性や特徴が多いために「少数・多次元」になりやすい。そのため物質データを活用するための収集法や解析方法には注意を払う必要がある。さらに、多くのデータがなければAIによる探索ができない、という考えからデータ収集が目的になってしまい、実際に活用にまで至らないというケースも多々聞かれる。これらの事項について、本講座では講演者の研究経験から念頭に置くべき事項についての解説を概論的に行う。

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