生体情報を利用した感情・心理状態の推定技術

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本セミナーでは、ストレスと感情、疲労と感情、快不快と感情との関係性、機械学習を利用した解析、推定事例を詳解いたします。

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プログラム

第1部 新製品開発への活用に向けた心理・生理状態の計測技術

(2021年7月19日 10:30〜12:00)

 超高齢社会を迎えユニバーサルデザイン思想が浸透しつつある現代、多様なユーザの心身機能や感性に基づくモノづくりが強く求められています。それを実現するためには、ユーザの負担やニーズ等の心理・生理データを捉え、それらを設計値に落し込まなければなりません。  では、そうしたデータをどのように抽出し、設計値に変換すればよいでしょうか。そうした製品の優位性やユーザの満足度をどのように客観的に検証すればよいでしょうか。実験計画を周到に設定しなければ意味のある心理・生理データは得られません。適切なプロセスを踏まなければ、心理・生理データは設計値に反映できません。  このセミナーでは、こうしたユーザの負担やニーズ等の心理・生理データを捉える手法と具体的な進め方を、人間工学の立場から事例を交えて分かりやすく解説していきます。

  1. はじめに
    1. 何が良い製品/悪い製品を決めるのか
    2. 企業にとっての心理・生理計測のメリット
  2. 何を測るのか
    1. 心理・生理計測で何がわかるか
    2. 主な計測手法
  3. ユーザの隠れたニーズを捉える計測
    1. 直接観察の重要性
    2. 高齢者対応製品のための高齢者ニーズの誤解と解釈
  4. ヒトを対象とした計測のための実験計画
    1. 実験計画がまずければ優れた計測技術も無駄になる
    2. 失敗しないための9つのポイント
  5. 計測データを設計値に落し込む
    1. 意味のある心理・生理データの見つけ方
    2. データを設計値に翻訳する
  6. 今後の動向と課題
    1. 快適性とストレス
    2. 人材の育成

第2部 動画像による非接触心拍計測と ストレス、情動の推定

(2021年7月19日 13:00〜14:30)

 心拍変動の周期から、交感神経系の活性のバランスを判断し、ストレス負荷の様子や感情をみることが可能であることから、カメラを用いた非接触の心拍変動計測システムが注目されている。この手法では非接触で行うため被験者に不快感を全く与えることなく計測が可能である。本講演ではRGBカメラからの皮膚色素成分分析法にもとづき、本情動工学を質感工学に応用うる例など実用的な視点で情動工学・肌光学について講演する。

  1. 5バンドカメラ用いた非接触心拍計測法 (従来法)
    1. 撮影環境
    2. 信号取得と前処理
    3. 時間軸の独立成分分析
    4. ピーク検出
    5. 精度検証
    6. 心拍変動スペクトログラム
  2. RGBカメラを用いた色素成分分離に基づく非接触心拍計測法
    1. 色素成分分離手法
    2. 空間軸の独立成分分析
    3. 顔画像に対する色素成分分離
    4. 脈波検出方法
  3. 情動 (感情) のモニタリング
    1. 色素成分分離による生体情報の計測
    2. 個別最適化法による特徴量の選択
    3. 選択された特徴量を用いた情動の分類
  4. 今後の課題
    1. リアルタイム化
    2. 個人差の低減

第3部 機械学習を用いた生体情報からの心的状態推定

(2021年7月19日 14:45〜16:15)

 教育工学研究において、学習者の眼球運動や発汗量など生体情報を学習行為や心理状態と関係付けるための基礎的な研究は多くの知見を蓄積している。そして、昨今の計算機や生体計測機器の高機能化と低廉化によって、生体計測機から得られるリアルタイムかつ大量のデータを高速に処理することにより、生体情報や行動情報を用いた学習者の心理状態の計算機による自動推定と教育支援への試みが盛んに行われている。 本講演では、多面的情報からDeep Learningを用いた学習者の心的状態推定の可能性について説明する。

  1. 学習に関わる多面的情報の取得
    1. 生体情報の計測
      1. 呼吸計測
      2. 皮膚コンダクタンス反応計測
      3. 容積脈波計測
    2. 心的状態の内省報告
  2. 機械学習を用いた心的状態推定の試み
    1. 心的状態のカテゴライズ
    2. リアルタイム性処理と時間的側面の検討
    3. データ構造とネットワーク構造
    4. シミュレーション方法と結果
    5. シミュレーション結果の考察

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