経営・事業部門への知的財産の貢献度評価と効果的な報告の仕方

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第1部. 知的財産活動の可視化と経営、事業への貢献

(2021年7月27日 10:00〜11:30)

 経営層、事業部に知的財産の貢献度を理解してもらうのは簡単ではありませんが、経営層、事業部に知的財産がどのように貢献しているか、または、貢献し得るかを理解してもらえなければ、知的財産活動をスムーズにより高度化していくこともまた難しくなります。これら知的財産の貢献度への理解と、知的財産活動の高度化をどのように達成するのかについて、知的財産の価値評価、知的財産活動等の可視化という観点を軸に、荏原製作所における取組を紹介します。

  1. 経営層、事業部が何を見ているか
    1. 荏原の知財活動が変わったきっかけ
    2. 社外からどう見えるか
  2. 知的財産活動の経営、事業への貢献
    1. 知財ポートフォリオ管理
    2. リスク管理
    3. 情報分析,協創
  3. 知財の価値の見える化:知財価値評価
    1. 評価項目の多寡についての考察
    2. 必要な評価観点
    3. 評価の変遷
  4. 知財から見た状況の見える化
    1. 自社を取り巻く知財状況の整理
    2. 事業状況,方針の把握
    3. 事業と知財マッチング
  5. 知財方針の見える化:知財戦略
    1. ポートフォリオ構築の方針
    2. リスク管理の方針
    3. 発明評価の活用、運用
  6. 知財活動の成果の見える化
    1. 社外の評価ツールの活用
    2. 知財活動報告書
    3. 業務改善、ROICへの貢献

第2部. BtoC企業における経営、事業に貢献する知的財産活動とその価値評価および伝達

(2021年7月27日 12:15〜13:45)

 演者はBtoB企業かつ技術中心の典型ともいえる素材メーカーで30年以上にわたり知財業務に携わってきた。一方、消費者にとって身近であるという理由から知財紛争など一般の目に触れることが多いものの、食品業界においては知財の重要性はあまり認識されていなかったのが実情である。しかしながらこの業界にも技術革新、グローバル化の波が押し寄せ、知財の重要性が増している。  本セミナーでは、BtoC製品における知財の特徴も鑑みながら、どのように知財を事業、経営に生かす方向に転回してきたか、またそれをどう評価・報告することで経営陣に知財に対する認識の変革を迫ったか、演者の食品企業に転じて2年間における知財活動をベースに報告する。

  1. 研究者に訴え続けてきたこと
    1. 企業研究者は特許で評価される
    2. 研究者の責務は研究成果をだすだけでなく特許で保護するところまで
    3. そのために研究者に必要な知識、意識、行動とは
  2. 特許の本質をどのように経営トップ・研究トップに理解してもらったか
    1. 特許は市場に他者を入らせない、他者の活動を制限する武器
    2. 知財部はその武器を産み出すところ (専門性の極めて高い戦略的部署)
    3. 重要なのはそれを実例・成果で示すこと
  3. 事業視点での特許活動をスタート
    1. 重要なのは活動テーマ決め (事業上の本質的課題とそれを知財的手法で解決できないか)
    2. 期間、活動内容の計画をたて、リソースを集中し、成果をだす
    3. 1年目の活動テーマ、2年目の活動テーマの紹介
  4. IPランドスケープの展開
    1. BtoC企業におけるIPランドスケープのあり方、目指すところ
    2. ありふれた材料における技術革新を技術俯瞰で位置づけを明らかにした実例
  5. 目指すところは知財の「エクセレントカンパニー」
    1. 「Nestle」「Danone」と「明治」の知財アセットの価値比較
    2. 「明治」における取り組み

第3部. 経営・事業への貢献がわかりやすい知財機能のあり方

(2021年7月27日 14:00〜15:30)

 自社権利取得を主目的としていた伝統的な知財機能は変革を求められている。求められる変革とは、より直接的に経営に対して価値提供することであろう。しかしながら、このような変革を実現するには、経営を取り巻く「Digital Transformation」「モノからコトへの変化」といったメガトレンドを把握し、知財が狙う価値提供の内容や方向性を経営と整合しておく必要がある。横河電機では、マーケティング機能を広く捉えた上で、知的財産部をマーケティング本部内に配置する組織構造を取り、変革を進めている。  本講演では、経営視点で知財機能を実現するアプローチを紹介する。

  1. はじめに
    1. 横河電機の紹介
  2. 経営の一部としての知財機能
    1. 経営を取り巻く環境
    2. 経営と知財機能との関係
  3. 事業方針に沿った知財活動
    1. 事業の特徴に応じた知財の付加価値
  4. 知財活動の価値を理解してもらうために
    1. 事業の特徴に応じた活動計画のあり方
  5. 知財組織のあり方
    1. 組織と戦略
  6. まとめ

第4部. “庶民派IPランドスケープ”という語に込められた貝印知財マネジメントの本質

(2021年7月27日 15:45〜17:15)

 「IPランドスケープ」 (以下IPL) がバズワード化して久しい折、様々な企業にてその取り組みが行われているが、その実、日々の経営・事業・開発活動に完全に溶け込んでいる例はあまりみかけないように感じる。弊社では、自称“庶民派のIPL”を、会社活動の夫々において知財起点での付加価値を付けるための「社内知財コンサルティング」業務のツールと捉え、経営~現場まで広く入り込み、日々、展開している。  本講演では、デザイン経営を志向する弊社ビジネスを前提に、そこでのIPL含めた当該知財コンサルティングの実例、派生して「経営に資する知財」実践のための「成功のカギ」「目指すべき企業知財人材」につき言及する。

  1. 貝印の顧客志向を意識したデザイン経営
    1. 商品開発基準「D・U・P・S」 (Design, Unique, Patent, Story & Safety)
    2. 顧客志向での高付加価値の創造を実現
    3. デザイン経営重視の機能組織
    4. デザイン経営の実例
  2. 貝印が実践する「知財コンサルティング」業務
    1. 知財の本質を捉えた戦略策定・業務設計
    2. IPランドスケープの考え方 (なぜ“庶民派”?)
    3. IPランドスケープの実例
    4. 差別化の証としての知財の活用
    5. 知財価値を商品価値にかえる“商品価値化策”
    6. 「知財コンサルティング」の実例
    7. 貝印流の「知財ミックス」
  3. 貝印の考える知財マネジメント成功のカギ
    1. “経営に刺さる”話し方、伝達方法
    2. 愚直な社内コミュニケーション
    3. 目指すべき企業知財人財の姿

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