発生から2年目となったコロナ禍は、世界規模で実体経済への甚大な被害を起こしており、多くの開発途上国では、民間投資資金が縮小し、資本市場も乱高下しています。 実際、昨年11月にザンビアのユーロ債がデフォルトしたことは記憶に新しいです。 世界銀行グループの国際金融公社 (IFC) では、既存顧客の事業継続、雇用維持などの為に80億ドルの緊急融資枠を設定するなどして対応していますが、将来予測が難しい中で、とりあえず短期の返済繰延で対応することを余儀なくされている融資案件が多いのも事実のようです。 このような状況下、各企業は、様々なクライシス対応ができる組織と人材の確保が不可欠であり、その為に「海外プロジェクトファイナンス案件の管理と不良債権回収」も忘れてはならない分野です。 弊社セミナー「海外プロジェクトファイナンスの実務」受講者、通学制スクール (専門科) 「プロジェクトファイナンス実践応用コース」受講者 及び 海外プロジェクトファイナンスや不良債権回収に携わる方を主な対象として、海外プロジェクトファイナンス案件の管理と不良債権回収についての実践型セミナーを基礎編と応用編に分けてお届けします。 いかに精緻に組成されたプロジェクトファイナンス案件でも経済危機・市況変動・政変・非効率経営など様々な理由で問題が発生し、プロジェクトスケジュールの大幅な遅れや事業採算悪化等による債務返済不履行や無配となる可能性があります。 特に開発途上国におけるプロジェクトファイナンス案件はこの様なリスクに常に晒されており、参画する企業は不測の事態に遅滞なく適切に対応することがリスク管理上よりも求められています。 本セミナー基礎編では、まずプロジェクトファイナンス契約締結から始まる案件管理の手法と他案件も含めた全社的ポートフォリオレビューのベストプラクティスを紹介します。 そして、案件管理の過程で発生する可能性のある諸問題の早期発見方法や不履行への現実的な対処方法を学びます。 その上で、不良債権回収チーム組成や回収戦略策定を含む不良債権回収のプロセスの要点を押さえていきます。 常に係争や法的措置と隣り合わせの不良債権回収業務では、関連法に準拠した契約条項の注意深い執行が重要です。 また融資や投資についての引当金・時価評価・繰延税金資産の取り扱い等企業経営に大きな影響を与える事項の適切な措置も必要です。 本セミナーではこれらを含む不良債権回収業務での主要留意点も取り上げます。 そして、最後に不良債権回収の実務として四つの主要回収手法を実践的に紹介し、それぞれの回収手法の理解を深めます。 基礎編で不良債権回収の実務について一通り理解したら、ぜひ応用編も受講して、より実践的なスキルをケーススタディーで身に付けましょう。 講師は、大手総合商社で途上国向け輸出金融やPPPを含むプロジェクトファイナンスを数多く手がけ、10年間のニューヨーク駐在中には2億ドル超の鉄道車両納入契約管理業務や不振米国メーカーを買収して経営を経験。 帰国後1997年アジア通貨経済危機により発生した自社の巨額不良債権回収業務で大きな成果をあげる。 そして、世界銀行グループで民間投融資を行う国際金融公社 (IFC) の不良債権回収専門部隊である特務局に誘われて転職。 11年間のIFC在職中アフリカ・中近東を中心に数多くの問題案件を解決した実務家です。