本セミナーでは、FT-IR分析と最新ソフトウェアによる解析、熱脱着GC・MALDI-MSによる迅速かつ簡便な直接分析、両アプローチで樹脂材料中添加剤の分析方法を、事例を用いて分かりやすく解説いたします。
(2012年2月27日 13:00~14:30)
FT-IRは有機物の分子構造を推定に利用されるポピュラーな分析装置です。 FT-IRの添加剤分析における特徴は、高感度ではないものの容易でかつ迅速な分析が可能であることが挙げられ、現場ではMS分析などを行う手前のスクリーニングの目的で利用されています。 本構においては、添加剤分析に適した分析手法を実例と共に紹介、添加剤が混入したスペクトルについて最新のソフトウエアを用いた解析などをお話します。
(2012年2月27日 14:40~16:30)
一般に、高分子材料中の添加剤分析には、予め溶媒抽出などにより、当該成分を基質から分離した後に各種計測法に供する方法が用いられている。 しかし、この方法では、抽出分離に際して1) かなりの試料量と長時間にわたる煩雑な操作を必要とすること、および2) 対象物によっては目的成分が定量的に抽出されなかったり、それらの汚染や変性が起こったりすること、などが問題点として指摘されている。 これに対して、熱脱着ガスクロマトグラフィー (熱脱着GC) やマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法 (MALDI-MS) などの手法を利用して、様々な高分子材料中の添加剤成分の分析を、試料によっては抽出操作を伴わずに迅速かつ簡便に行うことが可能である。 本講座では、まず、熱脱着GCおよびMALDI-MSの測定原理や装置構成を解説し、次にこれらの方法を高分子材料中の添加剤成分の分析に応用した事例をいくつか紹介する。 なお、ここで熱脱着GCについては、熱分解GCをベースとする方法論に注目して、その測定手順や応用例を解説する。 さらに、両手法を総合的に活用して、樹脂中の光安定剤の詳細な構造キャラクタリゼーションを行った事例を紹介する。