硫酸鉛、ニッケルカドミウム・ニッケル水素、リチウムイオンいずれも二次電池 (蓄電池) であるが、リチウムイオンは“非水・電解液電池”として、前2者とはその構造と電気化学的な構成が大きく異なる。1991年に日本で創成されたリチウムイオン電池 (以下LTB) は、現在までの30年間で、およそ全ての移動体の電源インフラとして、更には定置の電力系統連系などにも拡大している。
LIBの関連する産業分野は、原材料では化学 (正・負極材、電解液、電解質) を始めとして、高分子 (セパレータ、バインダー) 、金属 (集電箔、函体) と多方面にわたる。電池の設計・製造、充放電回路を組み付けたユニットからシステムまで、関連する工学分野は多方面にわたる。それらの何れもが、一定の二次電池工学的な基礎の元で機能する必要がある。システムの有効性と更には安全性の維持は、左記の工学 (エンジニアリング) の結果である。
急速に拡大したLIBのテクノロジーにおいて、技術者の不足は深刻である。ベテラン技術者の育成はともかく、それぞれの実務においてLIBの基本は理解し、誤解によるミスが無いような仕事が求められる。
本セミナーでは下記の各項の順で、現在のリチウムイオン電池の基本を習得して実務を安定にこなし、更に次のステップに進んで頂きたい。セミナーの中では、電気化学的な事項は模式的に判り易く解説するので、文化系の方も含めて幅広い参加を期待します。
- 電池 (セル) の構成・構造と容量
- エネルギー、パワーとサイクル特性
- セルの基本設計と汎用正・負極材
- 髙容量正極材 NCA、NMCxyzなど二、三元系正極材
- 新規、髙容量負極材 等方黒鉛系とシリコン系ほか
- 主要材料・部材の概要と問題点 (1)
- 主要材料・部材の概要と問題点 (2)
- 電池 (セル) 製造の概要、品質と安全性
- 電池の安全性規格と試験方法 (1) 汎用
- 電池の安全性規格と試験方法 (2) EVシステム
- 電池の安全性規格と試験方法 (3) 新規分野
- 本セミナーの“まとめ”と展望
- EVリチウムイオン電池の関連資料 全固体リチウムイオン電池ほか
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