医薬品製造において、製剤化技術が高度のようなイメージがあるが、もっと難しいのが包装である。安定性モニタリングが要求されたことにより、溶出試験での回収が増えているが、前々から製品回収で多かったのが包装ミスである。また、健康被害に直結する品質トラブルは包装工程である。
表示ミス、異種品混入、レギュレーション違反による製品回収が増えている。また製造時の包装トラブルによる製品回収は多い。各社がミス防止を続けているがなかなかなくならない。包装のミスは製造所でのミスと表示資材メーカーでのミスの二つがある。包装でのミスを減らすにはどうするか。表示資材メーカーのミスを減らすことと万が一ミスがあってもそれを製造所で防ぐことができる仕組みを盛り込むことである。過去のさまざまの包装トラブル事例から学び、包装トラブルによる製品回収リスクを減らす方法を実例から学ぶ。それらを防ぐための包装工程バリデーションについて紹介する。そのための包装に関する基礎知識も紹介する。包装資材の使用期限、代替試験を行う場合や資材、包装検査に係る課題についても紹介する。
- 表示ミスによる製品回収事例 (PMDAのHPより)
- 2016年度の製品回収より、表示ミス&レギュレーション違反による製品回収
- 表示物のミスによる製品回収
- 単純な誤記
- 化合物名の誤り
- 添加剤の間違い
- 有効成分の表記ミス など
- 製造起因の表示ミスによる製品回収
- 捺印場所の間違い
- 封緘シールのコンタミ
- テストサンプルの間違い
- 容器の間違い など
- レギュレーション対応漏れによる製品回収
- 包装工程のミスによるトラブル/製品回収
- 添付文書の最新版との不一致 (包種追加反映されず)
- 使用期限と製造番号逆転
- ドリンク剤 (食品) の表示ミスによる回収事例
- 異種ラベル接続による回収事例
- 異種アンプル混入による品質トラブル
- 錠剤の刻印ミスによる製品回収
- PTP包装ラインでの欠錠センサーの排出同期化トラブル
- PTP包装ラインのシートカッターのずれトラブル
- プラスチックアンプルのカッターずれトラブル など
- 資材ミスによるトラブル/製品回収
- 箱の有効成分の単位ミス
- 異種添付文書混入
- 異種フリップキャップコンタミによる回収事例
- 異種ロールラベルに混入
- ロールラベルの張替
- 包装とレギュレーション
- 容器の定義
- 容器の種類
- 容器の機能の定義
- 製剤の容器
- 包装資材のJP試験
- 必須の資材の受け入れ試験 (ゴム栓、ガラス容器、プラスチック容器など)
- 包装工程のバリデーション
- 包装バリデーションの考え方
- 包装のバリデージョン項目
- PVの必要性とタイミング
- PVのロットサイズの問題
- 中間製品の包PV包装と製品準備
- 包装バリデーション不備による品質トラブル
- 気密性の検証
- ボトルの気密性
- 金型の組み合わせ確認
- ボトルのパッキンの歪み (固形剤)
- バイアル瓶 (注射剤)
- SP包装/PTP包装のバリデーション
- 包装のPVについて
- PTP包装でのPVを行う量
- PV3ロット必要かどうか
- 捺印ミス防止
- 輸送試験/振動試験/JIS落下試験
- 最終製品を中間製品で代用する場合
- 出荷試験は最終製品での試験
- EUの試験結果を活用する場合 (PMDAの指摘事項より)
- 製造起因の表示ミス防止
- 印刷会社の防止策
- 在庫を持たない
- 追加生産を行わない
- ラベルの張替えを行わない
- バーコード管理
- 包装製造所の防止策
- 表示資材の計数管理
- ラインでのバーコード管理
- テストサンプルの管理
- ロールラベルのバックNo印字
- 表示物のビデオ確認
- 製造番号/使用期限の確認
- 包装のフェールセーフ思想
- ポジティブセンサーとネガティブセンサーの選択
- 箱が2つ連続で流れる場合の捺印不良防止
- シールの貼布剥がれ防止
- 手包装ラインを自動化ラインにする場合
- 表示資材メーカーの査察/指導
- 包装委託先の査察/指導
- 包装資材の有効期間
- 包装検査
- 巡回検査と定位置検査
- 中間製品で試験する場合 (包装工程前の製剤バルク) のバリデーション
- 資材規格の考え方
- 性能確認と外観確認
- IPCで確認することとQCの受入試験で確認すること
- 包装規格の考え方
- 正しい資材が使用されていること
- 版Noの確認
- 包装が正しく行われたことの確認
- 校閲/校了でのミス防止
- 新聞社の校閲
- 表示物の校閲/校了
- 社内校閲/校了の仕組み
- 印刷会社の版作成の確認
- 校閲/校了者の研修
- 表示内容の根拠データの確認
- 人が創る品質/Quality Culture
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