分子シミュレーションの基礎と高分子材料開発の効率化への展開

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本セミナーでは、階層的な構造をもつ高分子の構造形成に焦点を当て、その基礎概論を述べたあと、高分子のモデリング手法や分子シミュレーション手法の基礎を解説いたします。
また、OCTAやLAMMPS、Gromacsなど、高分子シミュレーションにおいてよく用いられるソフトウェアについて、最近の研究事例を交えて紹介いたします。

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プログラム

高分子材料開発を効率的に行う上で、今や分子シミュレーションは極めて重要な役割を担っている。高分子のもつ特徴の一つとして、凝集構造の階層性を挙げることができる。高分子材料開発においては、このような階層構造の形成機構を明らかにする必要がある。  本セミナーでは、階層的な構造をもつ高分子の構造形成に焦点を当て、その基礎概論を述べたあと、高分子のモデリング手法や分子シミュレーション手法の基礎を解説する。また、OCTAやLAMMPS、Gromacsなど、高分子シミュレーションにおいてよく用いられるソフトウェアについても、最近の研究事例を交えながら、その概要を紹介する。

  1. 高分子構造形成の基礎概論
    1. 高分子の結晶化
      • 高分子の配向構造
      • ポリエチレンの結晶化
      • ポリエチレンの単結晶
    2. ブロック共重合体のミクロ相分離
      • マクロ相分離
      • ミクロ相分離
  2. 高分子のモデリング
    1. 階層構造 ~結晶性高分子を例にとって~
      • 高分子球晶の階層構造
      • 高分子シミュレーションの階層構造
    2. 全原子モデル
      • 典型的な相互作用ポテンシャル関数
      • 反応力場 (ReaxFF)
    3. 粗視化モデル ~2つのアプローチ~
      • 単純化した分子モデル
      • 現実的な分子モデル
      • 粗視化モデルの例
  3. 高分子のシミュレーション手法
    1. モンテカルロ (MC) 法
      • 高分子鎖のランダム・ウォークモデル
      • 動力学への拡張
    2. 分子動力学 (MD) 法
      • MD法とは
      • 差分近似法
      • シミュレーションで求める量
      • (例) 単原子分子系
    3. ランジュバン動力学 (LD) 法
      • ランジュバン方程式
      • ランジュバン方程式の解
    4. 散逸粒子動力学 (DPD) 法
      • DPD法とは
      • 粒子間力
      • 揺動散逸定理
      • 速度Verletアルゴリズムの修正版
  4. ソフトウェアの特徴
    1. OCTA (COGNACなど)
      • COGNACの概要
      • COGNACの基本機能
      • 単位系
      • 電荷の無次元化
      • COGNACの利用手順
      • pythonスクリプトによるパラメータの変更
    2. LAMMPS
      • LAMMPSの概要
      • LAMMPSの基本機能
      • 単位系
      • LAMMPSの利用手順
    3. NAMD
      • NAMDの概要
      • NAMDの基本機能
      • 単位系
      • NAMDの利用手順
    4. AMBER
      • AMBERの概要
      • 単位系
    5. Gromacs
      • Gromacsの概要
      • 単位系
  5. 研究事例
    1. 高分子の構造形成
      1. 単一高分子鎖の構造形成
      2. 単一屈曲 – 半屈曲ジブロックコポリマーの折り畳み転移
      3. 末端帯電デンドリマーと線状高分子電解質の複合体化
      4. 細孔中のシクロヘキサンで観測される相転移
    2. 両親媒性分子の自己会合
      1. 両親媒性分子のミセル形成
      2. 双頭型両親媒性分子の高次構造形成

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