本セミナーでは、ORB-SLAMを実例とした処理手順、高精度化のポイントや、ディープラーニング応用、IMUを用いたvisual inertial SLAMなどのvSLAMの現在と、Dead Reckoning (DR) や無線を用いた屋内測位技術などを解説いたします。
デバイスの自己位置推定や空間形状認識 (マッピング) は、自動走行制御からナビゲーション、写真測量などに用いられる基盤技術です。近年、カメラを用いたvisual SLAMの技術革新に伴い、ARCoreやARKitに代表されるように、スマートフォン向けの拡張現実感アプリケーションなどを実装しやすい環境が整いつつあります。今後も高精度化・省エネ化に向けて研究が発展していくと考えられます。 そこで、本セミナーでは、様々なセンサーを用いた自己位置推定技術を概説いたします。初めに、近年発展の著しい自己位置推定・マッピング技術として、カメラを用いたvisual SLAMの歴史から最新の技術動向までを概説いたします。特にORB-SLAMを実例とした処理手順、および高精度化のポイントを解説します。またMicrosoft HololensやGoogle Tangoなどに実装されているInertial Measurement Unit (IMU) とカメラの両方を利用したvisual inertial SLAMについても概説します。 次に、vSLAMと比較して、非常に省エネなIMU単体のみで自己位置推定 (odometry) を行うDead Reckoning (DR) 、WiFiやbluetooth low energy (BLE) などの無線を用いた屋内測位技術も紹介いたします。特に、人間の歩行軌跡を対象としたPedestrian Dead Reckoning (PDR) に関し、国際会議で開催されたコンペティションに参加するために開発した技術を説明いたします。