本セミナーでは、バイナリー発電・スターリングエンジン・熱電発電など、産業排熱の有効利用に関連する技術の基礎と動向、適用例について詳解いたします。
(2012年2月27日 10:30~11:45)
工場から排出される排熱エネルギーは100℃前後の低温排熱が多いため、これまで有効に利用されていない。 電力需給の逼迫や二酸化炭素排出削減対策などを背景にこれら排熱エネルギーの活用が注目されている。 低温排熱利用技術としてバイナリ発電技術についてその原理と実用事例を紹介するとともに、発電効率が優れたスクリュ式発電装置の原理とスクリュ式発電装置をバイナリー発電に応用したスクリュ式小型発電装置をについて説明する。
(2012年2月27日 12:30~13:45)
熱電モジュールは、冷却および温度調整用で様々な用途で用いられている。発電用途はその逆作用であるが、宇宙船用などインフラのない場所での電源用途といった特殊なものに留まり、エネルギー回収を目的としたものはなかった。 熱電発電は廃熱エネルギーを回収し使いやすい電気エネルギーへ直接変換できる技術であるが、実用化が遅れている理由は効率の低さにあった。しかし、近年熱電変換モジュールの特性が大幅に向上しており、節電・省エネに対する関心の高まりから、熱電発電の可能性も浮上している。本講演では、熱電発電の基礎から、コマツの熱電発電モジュール開発の概要とその応用実施例、特に産業廃熱利用の可能性について紹介する。
(2012年2月27日 13:55~15:10)
200年前に発明されたスターリングエンジンだが、これまで幻のエンジンと言われ、軍事用や研究用といった特殊用途を除き、事業化、普及に成功した例は少ない。しかしながら、再生可能エネルギー、未利用エネルギーの活用が注目される昨今、スターリングエンジンもいくつかの技術的なブレイクスルーによって市場に出ようとしている。 本講座では、国内で高まっている排熱エネルギーを回収し、電力として活用したいというニーズに対して、今、スターリングエンジンは技術とマーケットニーズがマッチするのか、現状及び将来的な可能性も含めてご紹介する。
(2012年2月27日 15:25~16:40)
排熱回収型ヒートポンプはいままで捨てていた低温の工場排熱を回収して高効率なヒートポンプシステムによる加熱を行うシステムである。また、冷却プロセスと加熱プロセスを同時に行うことも可能である。当システムは従来の蒸気ボイラーや電気ヒータに比べて大幅な省エネルギー化を図ることが可能である。 排熱回収型ヒートポンプの原理、特徴、種類について説明し、さまざまな適用例について述べる。また、最新の排熱回収型ヒートポンプである「洗浄工程用ヒートポンプ」の開発・導入についても述べる。