ISO 13485:2016年版では「適切な場合」に「サンプルサイズの根拠を伴う統計的手法」が求められている。統計学的手法とそのサンプルサイズ算出法には、一般的によく知られている平均値や標準偏差の差を検出する場合に加え、ISO 16269-6に示された、ロット内適合品の割合を統計学的に推定する場合がある。特に後者は日本ではあまり知られていないようであるが、海外では工程バリデーションにおいてその有用性が指摘されている。
本講座ではISO 13485:2016年版において求められている、「サンプルサイズの根拠を伴う統計手法」にはどのようなものがあり、どのような局面で適用されるかについて、プロセスバリデーションに関するGHTFガイダンスの内容も参照しつつ述べ、それぞれの統計手法についてサンプルサイズの計算原理と根拠の考え方、さらにその減少方法について解説する。
- はじめに
- QMSにおける統計学手法とその適用場面 ~GHTFガイダンスをふまえて~
- 共通に必要な手法
- 設計段階での統計学手法
- 製造プロセスのバリデーション (IQ,PQ,OQ) における統計学手法
- 設計開発のバリデーションにおける統計学手法
- サンプルサイズ計算理解に必要な統計学
- 確率密度関数と推計統計学
- 連続変数の5つの確率密度関数
- 非心分布
- 離散変数の確率密度関数
- 正規分布母集団の平均値と標準偏差の区間推定
- 統計手法におけるサンプルサイズの計算原理
- 差あるいは比の検定におけるサンプルサイズ
- 母集団の規格適合率のバリデーション~ (ISO 16269-6) の連続変数の場合
- 母集団の規格適合率のバリデーション (ISO 16269-6) の離散変数の場合
- サンプルサイズの根拠の考え方とサンプルサイズの減少方法
- サンプルサイズの根拠をどう考えるか
- サンプルサイズを減少させるにはどうすればよいか
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