二酸化炭素 (CO2) ・二硫化炭素 (CS2) を用いる高分子材料の合成

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二酸化炭素とイオウは豊富な天然資源であり、機能性材料の原料となりえますが、十分に活用されておりません。
そこで、本セミナーでは、二酸化炭素と、その同族体でイオウから簡便に得られる二硫化炭素を原料にした高分子材料の合成について解説いたします。

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プログラム

豊富な炭素資源である二酸化炭素と、その酸素を同じ16族元素であり同じく豊富な資源であるイオウに置き換えた二硫化炭素を用いた高分子の合成法および応用について紹介する。  まず、豊富な資源を用いる材料の設計法について概説する。続いて、講演者の研究を中心に各論に映る。  二酸化炭素の反応としては比較的温和な条件で進行する五員環カーボネートの合成をもととした高分子材料の合成について述べる。五員環カーボネート構造を持つポリマーの合成では、エポキシ基をもつ汎用モノマーであるグリシジルメタクリレートと二酸化炭素による、五員環カーボネート構造をもつポリメタクリレートの合成法と機能を紹介する。また、五員環カーボネートとアミンの反応を利用したポリウレタンの合成法および得られるポリウレタンの機能と応用について、一般的なポリウレタンとの比較も含めて紹介する。本法は、有毒で不安定なイソシアネートを用いないという利点がある。  二硫化炭素を用いた様々な含硫黄ポリマーの合成法と、その応用について紹介する。二硫化炭素はそれ自身が重合する他、多様なモノマーの原料となる。イオウの原子屈折の高さに由来する高屈折率材料への応用、ならびにイオウの金属との親和性を利用した、有機 – イオウー無機ハイブリッド材料と貴金属捕集ポリマーの合成と応用について述べる。

  1. 豊富な資源を用いる材料の設計
    1. 非石油資源の現状
    2. 二酸化炭素と二硫化炭素の特徴
    3. 二酸化炭素を用いる材料の設計
    4. 二硫化炭素を用いる材料の設計
  2. 二酸化炭素を用いる五員環カーボネート構造を持つポリマーの合成
    1. 二酸化炭素とエポキシドの反応による五員環カーボネートの合成
    2. 五員環カーボネート構造を持つポリマーの合成法と機能
  3. 五員環カーボネートとアミンの反応を利用するポリヒドロキシウレタンの合成とその応用
    1. ポリウレタンの性質と合成法
    2. 五員環カーボネートとアミンの反応を利用する脂肪族ポリウレタンの合成
    3. ポリヒドロキシウレタンの合成
    4. 様々なポリヒドロキシウレタンの合成とその応用
  4. 二硫化炭素を利用する含硫黄ポリマーの合成と応用
    1. 二硫化炭素の重合
    2. 二硫化炭素とエポキシドの反応による五員環ジチオカーボネートの合成とアミントの反応
    3. ポリメルカプトチオウレタンの合成とグラフトポリマー合成への応用
    4. 貴金属捕集性ポリマー
    5. 硫黄を仲立ちとする有機-イオウ-金属ハイブリッド材料の合成と機能
  5. まとめ

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