生体分子、高分子などの柔らかい素材からなる物質の界面は、ソフトマターの界面科学として、現在注目を浴びつつある。ソフトマターやソフト界面は外部からの刺激によって構造や性質が大きく変化するような「柔らかい (ソフトな) 」特性を有する点がその大きな特徴であり、この動的とも言える界面をソフトインターフェース (ソフト界面) と呼んでいる。ソフト界面の特性は、生物機能の多様性、ナノバイオ、医薬関係などの機能等に関係する重要な因子と位置づけられる。
本講では、ソフト界面の定義からその新規評価法までについて解説する。
- ソフト界面とは?
- ナノ微粒子の分散工程と分散安定性
~微粒子化と安定性の違いとは?~
(ハード界面での基本事項の確認1)
- 分散安定性の定義を知っていますか?
~ゼータ電位の果たす役割~
(ハード界面での基本事項の確認2)
- ゼータ電位とは?
~ハード界面とソフト界面での取り扱いの違いについて~
- 等電点と電荷零点の違いについて
- ソフト界面におけるゼータ電位を支配する因子 (表面電荷・イオン強度) と粒子間相互作用
- ソフト界面を有する分散系に対する具体的評価法
~ゼータ電位を評価すれば十分?
- 新規評価法の紹介
- パルスNMR法
- 粒度分布計
- ゼータ電位計
- 遠心沈降分析法など