進展する熱電変換材料技術の最先端と応用展望

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第1部 磁性材料を活用した新しい熱電応用と今後の展望

~異常ネルンスト効果・横型熱電効果の可能性~

(2021年6月25日 13:00〜14:30)

 近年、磁性材料において発現する異常ネルンスト効果などの”横型“熱電効果が新しい学術と新規な熱電応用の観点から注目を集めている。与えた温度勾配と直交方向に電界を生む横型熱電効果は、ゼーベック効果のような”縦型”効果では実現し得ない大きな応用上の自由度を生み出す。しかし、大学などの学術研究者が語るこれらの新しい現象やその応用は、真の実用とのギャップまでの話が欠落してることが多く、産業界の方々の中には、その可能性を図りかねている方も多いと感じられる。  本セミナーにおいては、磁性材料を用いた横型熱電現象の基本からその応用、近年の材料開発の現状、そして社会実装への道筋と実現の可能性、今後の展開などについて、横型熱電効果による社会貢献を目指す材料研究者としての立場から、できるだけ丁寧にご紹介させて頂く。

  1. 磁性材料を用いた横型熱電効果の基礎
    1. ゼーベック効果と異常ネルンスト効果、スピンゼーベック効果の比較
    2. 異常ネルンスト効果の起源
  2. 異常ネルンスト効果を用いた新しい熱電発電応用
    1. 異常ネルンスト効果を用いた熱電発電技術の利点、課題
    2. 異常ネルンスト効果を用いた熱流センサーの利点、課題
  3. 異常ネルンスト効果の熱電能増大を目指した材料開発
    1. 大きな異常ネルンスト効果を得るための材料探索指針
    2. ホイスラー合金系材料における異常ネルンスト効果
    3. Fe系合金材料における異常ネルンスト効果
    4. コンビナトリアル成膜技術を活用した超高効率材料開拓
  4. 異常ネルンスト効果を用いた応用デバイス
    1. 試作熱電発電モデュールの性能評価
    2. 試作熱流センサーの性能評価
  5. 今後の展開
    1. 熱電材料と磁性材料の複合構造 : ゼーベック駆動横型熱電効果とは?

第2部 ナノ構造を用いた熱流制御に基づく熱電変換性能向上の方法論とSiGe材料への応用

~3物性のトレードオフの関係を最適化する方法論~

(2021年6月25日 14:45〜16:15)

 IoT社会到来によりセンサー用の自立電源として、身の回りにあふれた未利用熱を用いた熱電発電が注目を浴びている。熱電変換効率は、熱伝導率が小さく、ゼーベック係数と電気伝導率が大きいほうが高くなる。しかしながら、この三物性はトレードオフの関係があり、最適化が難しい。本講演では、ナノ構造を用いた熱流制御に着眼し、従来のこの三物性のトレードオフを克服して熱電性能向上を狙った方法論を紹介し、応用上適したSiGe系材料においてこれを実証した結果をお話しする。

  1. 環境発電としての熱電変換
    1. 廃熱・未利用熱
    2. 熱電モジュール・薄膜熱電デバイス
    3. 熱電変換効率と性能向上
  2. ナノ構造を用いた熱電性能の向上
    1. ナノ構造形成法
      1. 従来ナノドット
      2. 極薄酸化膜を利用したナノドット形成法
    2. ナノドットによる熱伝導率制御
    3. ナノドット含有薄膜による熱電性能
      1. 熱伝導率
      2. 電気伝導率
      3. ゼーベック係数
  3. 熱電変換出力因子の増大
    1. 熱電変換出力因子増大の方法論
    2. サーマルマネージメント法:SiGe系への適用
    3. 共鳴準位効果とサーマルマネージメント法の融合
  4. まとめ

受講料

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