第1部 水と窒素ガスから常温・常圧でアンモニアを合成する光触媒技術の開拓
(2021年6月14日 10:30〜11:50)
太陽光エネルギーにより、地球上にあふれる入手容易な原料から化学エネルギーを合成する人工光合成反応は、近年、大きな注目を集めています。特に、水と窒素ガスからアンモニアを合成する光触媒反応が可能となれば、革新的なエネルギー製造技術となる可能性があります。近年、多くの光触媒がアンモニア合成に向けて開発されるようになっていますが、この反応を進めることは依然として困難です。
本講座では、本反応が抱える課題について説明するとともに、この反応を進めるための鍵となる光触媒特性などについて紹介します。
- 人工光合成とエネルギーキャリア
- 光触媒反応
- 人工光合成
- エネルギーキャリア
- アンモニア合成
- 二酸化チタン光触媒によるアンモニア合成
- 光触媒活性
- 表面欠陥の役割
- 可視光応答型光触媒によるアンモニア合成
- 光触媒構造と活性
- 光触媒メカニズム
- 含塩素半導体光触媒による海水を利用したアンモニア合成
- 光触媒構造と活性
- 光触媒メカニズム
- まとめと今後の展望
第2部 電場触媒反応を用いた低温オンデマンドアンモニア合成技術
(2021年6月14日 12:40〜14:00)
「貯めて運べる水素=エネルギーキャリア」のひとつとして、アンモニアが注目されている。我々は、窒素と水素から、ほしいときにほしいだけ低温でオンデマンドでアンモニアを合成する手段について検討を重ね、半導体触媒に直流電場を印加することで、従来に比して低温で高い活性を示すことを見出した。その際の反応メカニズムはこれまでの固体触媒とは全く異なり、また鉄やルテニウム以外にコバルトなどでも高い活性を示すことがわかった。
本講座では、これら技術を概観し、その詳細と今後の展開を紹介する。
- バックグラウンド
- 低温で触媒反応を行うことの意義
- アンモニア合成の重要性とエネルギーキャリア
- 低温オンデマンドアンモニア合成の概略
- 触媒の種類と活性など
- 反応の効率など
- 低温オンデマンドアンモニア合成のメカニズム・学理
- オペランド測定などによる解析
- 理論化学計算による解析
- 総括と今後の展望
第3部 リチウムの機能性を利用した常圧アンモニア合成法の開発
(2021年6月14日 14:10〜15:30)
本講演では、我々の研究グループで提案する「Li合金を用いた窒化物合成」について、研究背景、研究開発の経緯、これまでの研究成果について紹介する。特に、Li合金を用いた窒素分子の解離、擬触媒的及び触媒的アンモニア合成について、各反応の特性評価やキャラクタリゼーションに関する実験結果を示し、反応メカニズム等について議論する。最後に、現在の研究状況及び今後の展望を述べる。
- 研究背景
- 窒化物合成における課題
- 関連する先行研究
- Li合金を用いた窒化物合成技術への着想とその詳細
- 研究紹介
- 研究体制
- Li合金を用いた窒素分子-窒素原子変換
- 試料合成とキャラクタリゼーション
- Li合金を用いた窒素分子 (N2) の解離及び再結合
- Li-Sn合金を擬触媒として用いたアンモニア合成
- Li-Sn合金の窒化特性と生成物のキャラクタリゼーション
- Li-Sn合金のアンモニア合成特性
- Li-Sn合金の再生反応
- ガススウィッチングプロセスを用いたサイクル試験
- Li合金を触媒として用いたアンモニア合成
- 総括,今後の展望
第4部 固体電解質を用いたアンモニア合成システム
(2021年6月14日 15:40〜17:00)
二酸化炭素排出実質ゼロ社会における主要なエネルギー源は再生可能エネルギー由来の電力であり、それを効率的に液体の化学物質に変換する技術の開発が望まれている。アンモニア電解合成は、未来のエネルギーデバイスとして理想的な方法であるが、現時点では多くの課題が存在する。
本講義では固体電解質を用いたアンモニア合成システムに関して、理論的な考察からこれまでの研究成果の概要までをわかりやすく解説する。
- システム概要と分類
- アンモニア電解合成の意義
- 作動機構による分類
- アンモニア電解合成の熱力学
- セラミックス系電解質を用いた合成
- プロトン伝導性電解質の種類
- 電極構造の効果
- 反応機構の検討
- 電圧印加効果
- 中低温電解質を用いた合成
- 高分子膜系電解質
- リン酸塩系電解質
- 水素透過膜型電解セルの開発
- 構造と作動機構
- 触媒の効果
- まとめ
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
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