リチウムイオン電池バインダーの設計・調整および分析・評価手法

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会場 開催

本セミナーでは、リチウムイオン電池バインダーの基礎から解説し、電極板作成・スラリー調整、分析・評価方法、最新動向まで網羅して詳解いたします。
スラリー作成の実習を通して、実践的なスキルを身につけていただきます。

日時

開催予定

プログラム

第1部 正・負極バインダーの動向および設計・分散制御 ~スラリー作成実習付き~

(2012年1月26日 11:00~13:00)

 近年、リチウムイオン電池の自動車用途への展開が注目されている。  モバイル用途と異なる設計の中で、寿命特性の確保、抵抗の低減など様々な課題の克服へ向けた取り組みがなされている。  その方策の一つとして、バインダーが電池特性に与える影響、バインダーの使用方法などが注目されてきている。  バインダーの使用量は電池構成部材としては、僅かに数%に過ぎないが、電池特性に対して様々な影響を与える。  本講演では、リチウムイオン二次電池用バインダーの重要な機能および設計上の留意点、各種バインダーの特徴など解説。  特に寿命特性への影響を、実例を挙げて解説する。  また、バインダーの最新技術動向を紹介する。

  1. リチムイオン電池におけるバインダーの機能と役割
    • プロセス面における機能
    • 電池特性における機能
  2. 分散の基本技術とバインダーの設計
    • 分散の基礎理論
    • バインダー設計による分散制御
    • 水溶性高分子の役割 (実験による分散体験を実施)
  3. 正極用バインダーの種類と特徴
    • 溶剤系バインダー
    • 水系バインダー
    • 水溶性バインダーを用いたオリビン鉄材料の電池特性
  4. 負極用バインダーの種類と特徴
    • 溶剤系バインダー
    • 水系バインダー
  5. バインダーの電気化学的特性と設計

第2部 リチウムイオン電池用電極バインダーの分析評価技術

~バインダー組成および劣化分析~
(2012年1月26日 13:40~15:10)

 リチウムイオン電池 (LIB) は小型電子機器から電気自動車まで、幅広く活用されており、様々な電池の中で最も注目されている。  本講演では、電極バインダーについて、有機分析を中心とした組成分析から、形態観察、電極内での分布状態などの評価方法について、事例を中心に紹介する。また、高温高電位下で実施した耐久セルを用いて、正極などの他の部材に関する評価も合わせて紹介する。

  1. はじめに
    1. リチウムイオン電池の解体分析について
  2. 電極バインダーの各種評価
    1. 電極バインダーの定性分析
    2. 電極バインダーの定量分析
    3. 電極内でのバインダーの形態観察、分布評価
    4. 耐久試験によるバインダーの劣化解析
  3. 高温、高電位下耐久試験による各種構成部材の劣化評価
    1. 正極活物質
    2. 負極活物質
    3. 電解液

第3部 CMC・アクリル酸バインダーの特徴と電池特性に及ぼす影響

(2012年1月26日 15:20~16:40)

 溶媒系バインダーはNMPなどの有機溶媒に溶かして使われるため、環境面、コスト面から電池作成工程の改善点の一つとして常に挙げられる問題点である。  近年、カルボキシメチルセルロース (CMC) バインダーなどがSi負極のバインダーとして有効であることが報告されて以来、水系バインダーの使用が注目されるようになっている。  この講座では、CMCとアクリル酸バインダーを中心とし、これまでどのような水系バインダーが使われてきているのか、電池特性としてどのような効果が見られるのか、さらに発展していくためにはどこに問題点があるのかについて多くの例を出しながら解説をします。

  1. リチムイオン二次電池におけるバインダーの機能と役割
    • バインダーの持つべき役割
    • バインダーの種類と分類
    • 電池特性に及ぼすバインダーの特性
  2. バインダーの分散法と電極の成膜方法
    • 高分散性を得るための方法
    • 実際の例から見る成膜方法と電池特性の関係
  3. 負極用バインダー
    • 水系バインダーの種類
    • 水系バインダーと溶媒系バインダーの電池性能の比較
    • カルボキシメチルセルロース (CMC) バインダーについて
    • アクリル酸バインダーについて
  4. 正極用バインダー
    • 水系バインダーの種類
    • 水系バインダーと溶媒系バインダーの電池性能の比較
    • カルボキシメチルセルロース (CMC) バインダーについて
    • CMCバインダーとLi過剰固溶体正極材料の組み合わせについて
  5. ナノ構造を利用した正、負極用バインダー
  6. 水系バインダーの今後の展望

会場

東京流通センター
143-0006 東京都 大田区 平和島6-1-1
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