改正食品衛生法が2018年6月に公布され、ポジティブリスト制度が2020年6月1日に施行となった。施行後5年間の経過措置が設けられ、2025年6月1日に完全施行となる。ポジティブリスト制度は、評価され安全性が担保された原材料をリスト化し、リストに収載のない原材料を食品用の器具・容器包装に使用することを禁止するものである。経過措置中は、6月1日以前に器具・容器包装に使用されている器具又は容器包装と同様のもの (原材料) は販売・製造・輸入ができる。経過措置期間中にPLに掲載がなくても使用可能な物質は、PL掲載の申請を行わなければならない。
施行日のポジティブリストは、6.1の施行日以前に使用実績のあるものを網羅していないため、経過措置の5年間で追加を行うこととなった。新規物質の申請制度も設定された。また、器具容器包装の事業者には、施行後より、適正製造管理規範の遵守及び情報伝達の義務が発生している。
本講座では、現時点でのポジティブリストの収載物質、対象範囲、未確認物質の認定化状況、経過措置中のポジティブリストにない物質の扱い、情報伝達の内容、製造基準、及び2021年6月1日から実施する製造事業者の届け出等について説明する。また、本講座では、すでにポジティブリスト制を定めている欧州、米国の容器包装に関する規格・基準、及び安全性試験・評価等について説明する。
欧州では、食品に接触する材料、及び製品を定めた法律 (総括的規則) 、及び規格・基準を定めたプラスチックチック規則を説明し、このプラスチック規則への適合性の確認手順について述べる。米国では、容器包装を含む連邦食品医薬品化粧品法、及び規格・基準を定めた連邦規則集により、接着剤・コーティング剤、合成樹脂の個別規格、紙・板紙、添加剤等の規格及び安全性試験等について説明する。欧州、米国では、新規物質申請制度を制定しており、申請制度及び安全性に関する考え方の違いについて説明する。
最後に、日本 (現行及びポジティブリスト施工後) ・欧州・米国の法制度の違いについて述べ、来年6月に施行される日本のポジティブリスト制度の特徴について説明する。
- 日本における容器包装の法規制
- 食品衛生法の改正
- 改正食品衛生法体系
- ポジティブリスト制度概要
- ポジティブリスト制度に関わる法改正
- 対象物質
- 人の健康に恐れのない量
- 器具又は容器包装を製造する営業の施設の衛生的な管理
- 情報伝達
- PL適応
- 食品衛生法適応
- 器具・容器包装事業者の届出
- 届出方法
- 器具・容器包装又は原材料一般規格改正
- ポジティブリスト規定方法
- ポジティブリスト形式
- ポジティブリスト掲載物質
- ポリマー
- コーティング材
- 添加剤・塗布剤
- ポジティブリスト物質改正及び追加申請
- 既存物質リスト案
- 規格の改正
- 新規物質申請
- 申請システム
- 申請書類 (食品用器具及び容器包装に関する健康評価指針)
- ポジティブリスト対象範囲
- 器具・容器包装の規格基準
- 合成樹脂製の器具・容器包装の一般規格
- 合成樹脂製の器具・容器包装の規格基準
- 他素材の規格
- 乳等省令
- 欧州における容器包装の法規制
- EUにおける法規制
- 総括的規則
- プラスチック規則
- 化学物質ポジティブリスト
- 認可されたモノマー、他の出発物質、微生物醗酵高分子、添加剤
- 化学物質のグループ規制
- 適合宣言の注記
- 物質の詳細な制限 (微生物醗酵高分子)
- 材料及び製品への規制
- 食品疑似溶媒
- 適合宣言
- 適合試験
- 特殊移行量試験
- 総移行量試験
- 換算係数 (FRF)
- 多層材料及び製品のEU規則
- プラスチック規則ガイドライン
- プラスチック規則の全般的なガイダンス
- サプライ・チェーンにおける情報に関するガイダンス
- 新規物質の申請ガイドライン
- 安全性評価
- 米国における法規制と安全性試験・評価
- 米国における法規制
- 連邦食品医薬品化粧品法 (FFDCA)
- 容器包装関連の連邦規則集
- ポジティブリスト
- 間接食品添加物
- 間接食品添加物
- 間接食品添加物
- ポリマー
- オレフィンポリマー
- ナイロン
- PET
- ポリスチレン等の概説
- 間接食品添加物
- 安全性試験
- 多層構成の米国規制
- 新規物質申請制度 (SCN制度)
- 安全性評価
- 日・米・欧の比較
- 規制の比較
- 溶出試験法及び食事中濃度の算出方法比較
- 毒性試験比較
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