防曇コーティングの設計と耐久性の向上

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本セミナーでは、防曇性発現のメカニズムからその評価方法まで詳解いたします。
コーティングしにくい部分に対する処理についても解説いたします。

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プログラム

第1部 ぬれの基礎と防曇/防汚処理への応用:曇りのメカニズムとぬれ性制御を利用した各種表面処理技術の最新動向

(2021年5月17日 10:00〜11:30)

 透明基材表面に微小水滴が付着すると“曇化 (曇り) ”が発生する。曇化を防止する防曇処理は、安心・安全、快適性、機器の信頼性や効率化の観点から、我々の日常生活において極めて重要な表面処理の一つである。本講演では、曇化をぬれの観点から考え、防曇表面をいかにデザインするか? 親水性、撥水性のいずれが好ましいのか?これまでの研究事例を紹介しながら分かりやすく解説する。

  1. ぬれの基礎
    1. 静的接触角/動的接触角
    2. 親水性/超親水性表面とは?
    3. Cassieの式 (凹凸表面におけるぬれ)
    4. Wenzelの式 (複合表面におけるぬれ)
    5. 親水性/超親水性を得るためには?
  2. 防曇処理の研究事例
    1. 曇り (曇化) のメカニズムとぬれ性制御の重要性
    2. 防曇処理のカテゴリー
      1. 親水化/超親水化/吸水化
      2. 超撥水化
      3. 両性 (親水/撥水) 化
      4. 親水/撥油化
    3. 最新の防曇処理の研究開発動向
    4. これまでの防曇処理の課題と問題点
  3. 最新の研究開発動向
    1. 自己修復型防曇皮膜の研究開発動向
    2. 膨潤により自己修復する多機能透明防曇皮膜 (自己修復性、抗菌性、水中超撥油性)
    3. 多機能透明防曇皮膜の大面積処理/防汚性付与技術
    4. 滑水性に優れた透明親水性皮膜

第2部 UV硬化型防曇コーティング剤の耐久性、密着性

(2021年5月17日 12:10〜13:40)

 UV硬化型防曇コーティング剤について、まずは防曇およびUV硬化性樹脂について概説したうえで、最近の開発事例を採り上げ、本システムにおける現状の課題と解決に向けた取り組みについて解説する。  UV硬化性樹脂に防曇機能を付与するために必要な基礎知識と開発の現状、課題と今後の方向性を概説、そのうえで如何に防曇機能を発現させ、長持ちさせるか、新しい防曇コーティング剤を開発する上で必要なポイントを解説する。

  1. はじめに
    1. 歴史と必要性について
  2. 防曇とは
    1. 防曇の定義と主な方法
    2. 防曇の評価方法
  3. UV硬化性樹脂とは
    1. 基本構成成分
    2. 防曇機能付与に役立つ成分
  4. 特許から見た開発動向
    1. 界面活性タイプ
    2. 保湿タイプ
  5. UV硬化型防曇コーティング剤、私どもの取り組み
    1. 親水性ポリマータイプ
    2. UV硬化性樹脂タイプ
  6. 今後の課題
    1. 硬度アップと耐久性
    2. 密着性
  7. 終わりに
    1. 今後求められる防曇コーティング剤とは

第3部 水分散化技術による水系コーティング剤の開発と防曇剤への応用

(2021年5月17日 13:50〜15:20)

 当社が開発した高透明性を維持しつつ、水系の欠点である耐水性を克服しつつ、親水性付与という相反する機能を複合的に備え、1液で安定した水系熱硬化型防曇コーティング剤について解説するまたその他、当社が保有する親水技術による親水化剤について紹介する。  環境に優しい水系にこだわった機能性コーティング剤による表面改質に関する技術を紹介。水系コーティング剤の欠点である耐水性を如何にして克服、耐久親水性を付与する技術について解説する。

  1. 会社概要・紹介
  2. コア技術
  3. 製品概要 (主力)
    1. アクリルポリエステル複合樹脂の合成技術
    2. 基材表面における膜形成と機能発現メカニズム
    3. 機能性コーティング剤ペスレジンについて
  4. 水系コート剤から防曇剤への展開
    1. 親水性・防曇コート剤への展開のきっかけについて
    2. 水系・熱硬化性防曇コート剤の特徴
    3. 基本構成成分
    4. 防曇性発現のメカニズム
    5. 耐久性能
    6. 用途例
  5. その他の親水化剤
    1. 繊維用吸水化剤・SR剤
    2. インクジェット受容層
  6. 終わりに

第4部 防曇コーティング技術と材料設計

(2021年5月17日 15:30〜17:00)

 「曇り」は、空気中の水分 (蒸気) が室温よりも温度の低い表面で凝集し水滴となり、光が散乱されることで透明性が失われる現象である。曇りを晴らす方法としては、基材を暖めることや風をあてて乾燥させるといったエネルギーを使う方法に加えて、基材表面に曇りにくいコーティングを施すことが考えられる。AGCでは自動車窓ガラス用途に高耐久な防曇コーティングの開発に成功しており、本講演では、高耐久な防曇コーティング材料の設計思想やその評価方法について解説する。

  1. 曇りについて
    1. 曇りの発生メカニズム
    2. 曇りを晴らす方法
  2. 各種防曇コーティング
    1. 親水系、吸水系の防曇コーティング
    2. 各防曇コーティングの自動車窓用途への適正
  3. 防曇コーティングの評価技術
    1. 防曇性測定方法
    2. 各種耐久性測定方法
  4. 吸水防曇コーティングの材料開発
    1. 膜構成と材料設計
    2. 吸水樹脂とその硬化方法
    3. 有機 – 無機ハイブリッド構成
  5. まとめ

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