導電性高分子の基礎と高導電化

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本セミナーでは、電気伝導率が移動度と電荷濃度の積で記述されることに着目し、「移動度の向上」と「ドーピング制御」の観点から高導電性の実現に向けた材料・素子開発を概観いたします。

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プログラム

導電性高分子はコンデンサや帯電防止フィルム、センサをはじめ、近年では印刷法により作製できる熱電発電素子や発光素子など、多様な産業応用が期待されている。その代表的な材料であるPEDOT/PSSは、4000 S/cmを超える高い電気伝導率を示す。一方、PEDOTは一般の有機溶媒に不溶であることから、溶液塗布による屈曲面への製膜やウェアラブル素子への展開など、広範なエレクトロニクス応用を見据え、より製膜性に優れ、かつ高い導電性が実現する材料開発が課題となっている。  本セミナーでは、電気伝導率が移動度と電荷濃度の積で記述されることに着目し、「移動度の向上」と「ドーピング制御」の観点から高導電性の実現に向けた材料・素子開発を概観する。特に、近年非常に高い移動度を示す材料として注目されるドナー・アクセプタ型高分子は、PEDOTを凌駕する可能性を秘めた材料である。これらの材料を中心として、近年明らかになってきた高移動度化の起源を最新の研究報告に基づき解説する。  また、セミナー後半では、筆者らが取り組んでいる高分子の熱電変換機能や高輝度発光などの、ドーピング制御により実現する新しいデバイス機能について、世界的な研究動向も踏まえて幅広く解説する。

  1. 導電性高分子の発見と研究開発の推移
    1. 代表的な導電性高分子材料 – ポリアセチレンからPEDOTまで -
    2. 導電性高分子の応用例
    3. PEDOTにおける高い導電性の起源
    4. 更なる高導電化とエレクトロニクス応用に向けた課題
  2. 導電性高分子の電子状態と電荷輸送の基礎
    1. 導電性高分子の電子状態
      • ソリトン
      • ポーラロン
      • バイポーラロン
      • 金属転移
    2. 導電性高分子の電荷輸送機構 – 乱れた系のホッピング伝導から金属伝導まで -
    3. 電荷輸送の実験法 – 電気伝導率と移動度の観点から -
      1. 電気伝導率測定
      2. 磁気抵抗、及びHall効果測定
      3. トランジスタ構造を用いた移動度の測定法
      4. 磁気共鳴法を用いた“キャリア運動”の観測
  3. 導電性高分子の高導電化に向けた取り組みと最近の知見
    1. 移動度向上に向けた新規な分子・薄膜設計
      1. “高結晶性”高分子とドナー・アクセプタ型高分子
      2. 分子配向の効果
      3. 分子量の効果
      4. 分子平面性の効果
      5. 主鎖方向制御の効果
      6. ドナー・アクセプタ型高分子に学ぶ「高移動度化のレシピ」
    2. 高分子膜へのドーピング法
      1. 化学ドーピング
      2. トランジスタ構造を用いた静電的ドーピング
      3. トランジスタ構造を用いた電気化学ドーピング
      4. 新規ドーピング手法開発の動向
    3. 高導電化に向けた材料開発の課題と展望
  4. 導電性高分子の熱電変換機能
    1. ゼーベック効果と熱電変換特性
    2. 高分子系熱電変換素子の研究動向と問題点
    3. 電気化学トランジスタを用いた熱電変換特性制御
    4. 高分子薄膜の構造と熱電特性の関係
    5. 変換性能の向上に向けた課題と展望
  5. 導電性高分子を用いた高輝度発光素子
    1. 有機ELと発光トランジスタ
    2. 電気化学発光素子 (LEC)
    3. LECにおける発光メカニズム
    4. 高輝度化に向けた取り組みと課題
  6. まとめ

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