医薬品包装材料としては、プラスチックが最も多く、他にゴム、ガラスが主に使用されている。日欧米共に薬局方により基準が定められ、ICH等の国際会議による調和が進行中である。日本は、2020年6月に第18改正が告示予定であるが、具体的規格は水性注射剤容器とゴム栓のみであり、樹脂の定義と規格は無く、欧米と比較して限定的で曖昧な課題がある。米国は、39改正によりプラスチックの規定がより詳細となり、新たに容器から移行する溶出物と浸出物の規定が作られた。欧州は、2020年に血液関連が新たに再編成された。又、欧米共に食品包装との整合化が図られている。
又、食品包装では2020年6月、欧米が制定済の原料樹脂のPL (Positive List) が漸く国の制度に移行し、原材料に関し殆ど基準の無い医薬品包装へも大きな影響が出そうである。
本講では、日欧米の最新薬局方における現状と相違点・日本の課題、食品包装規用樹脂のPL制度化の影響、企業のリスク管理の進め方等に関し紹介する。
- 包装を取り巻く環境
- 医薬品の包装材料の概要
- プラスチック
- ゴムとガラス
- 包装材料の使用割合 (食品)
- 医薬品規制の国際調和会議 (ICH) 等の進捗状況
- 日本薬局方 (JP) の試験法と規格
- 米国薬局方 (USP) の試験法と規格
- 欧州薬局方 (EP) の試験法と規格
- 3極薬局方の現状比較と重要相違点・日本の課題
- トピックス
- 厚労省の食品包装用樹脂のPL制度化進捗状況と医療分野への影響
- 包装材料に含まれる化学物質とリスク管理の進め方
- プラスチックのリスク評価の基本的考え方
- まとめ – 企業としての対応 -
- 参考文献と情報入手先
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