第1部 高速高周波用フッ素系プリント基板材料の開発動向と接着・分散特性の改善
(2021年3月25日 10:30〜12:00)
プリント基板用材料では、高周波信号の伝送損失が小さい低損失材料が注目を浴びている。低損失材料の中でもフッ素系材料、特にフッ素樹脂が比誘電率と誘電正接が小さい材料として知られている。しかし従来のフッ素樹脂はその不活性な性質から、他材料との接着・分散などの複合化が困難であり、回路基板としては一部の用途への適用に限られていた。
このような状況下、AGCでは独自のフッ素樹脂設計技術により、接着性や分散性を有するフッ素樹脂、Fluon+TM EA-2000を開発した。本材料の特徴を活かし、従来の回路基板材料と多様な形で複合化することにより、フッ素樹脂の電気特性と従来材料の機械特性を補い合ったミリ波帯に適した基板材料が実現可能となる。本講座では、フッ素樹脂の一般的特性及びFluon+TM EA-2000の回路基板への適用法とその性能について説明をする。またミリ波とは厳密には周波数30~300GHzの電磁波であるが、本講座では28GHz帯もミリ波として取り扱うこととする。
- フッ素樹脂について
- プラスチックにおけるフッ素樹脂の位置づけや種類等
- フッ素樹脂の長所と短所
- フッ素樹脂 Fluon+TM EA-2000 のご紹介 (一般的フッ素樹脂との比較)
- 高速高周波用プリント基板に求められる特性・要件
- 接着性・分散性に優れるFluon+TM EA-2000
- 既存低損失材料とフッ素樹脂複合材料との比較
- 他材料へのEA-2000分散性
- LCPとフッ素樹脂複合材料としてのPI-EA-2000複合材料の比較
- Fluon+TM EA-2000複合材料の回路基板適用例
- EA-2000を用いた複層型改質PI の伝送損失
- 複層型改質PIの電磁界解析
- 総括・今後の展望
第2部 高速高周波プリント基板向けPTFE表面改質シートの開発とその特性
(2021年3月25日 13:00〜14:30)
高速高周波プリント基板向けの材料として期待されているフッ素樹脂 (特にPTFE) に着目し、PTFEの表面を改質することで銅との密着性を向上させた。表面改質させるオリジナルの装置を開発し、電子基板を完成させた。PTFE基板の表面改質はヒドロキシル基 (OH基) を結合させることにより、濡れ性が向上し、接触角10度以下を実現している。この表面改質したPTFEシートの表面に銅鍍金を直接行い、その密着性は0.8N/mmであり、高い密着性を有している。また、基板の伝送損失は10GHzで-6dB/mであり、低損失な基板であることを実証した。
本セミナーでは、改質した表面を分析したデータを交えて、Cu鍍金PTFEシートを紹介する。
- 表面改質処理装置の概要
- 処理装置の概念について
- 独自のイオン源 (ファインプラズマガン) について
- PTFEの低接触角の実現
- 表面改質したPTFEの表面について
- PTFE表面と銅との密着性について
- 高周波基板への適用
- ビアの表面改質について
- 伝送損失の評価について
- 量産化に向けて
- 量産プロト機の開発
第3部 高周波基板向けフッ素樹脂基板の表面処理と接着性向上技術
(2021年3月25日 14:45〜16:15)
本講座では、フッ素樹脂とはどんなものか?なぜフッ素樹脂は接着性が低いのか?プラズマとは何か?等の基礎的な解説から始めますので、予備知識がない方でもお気軽にご聴講頂けます。様々な樹脂の接着性向上を可能とするプラズマ処理ですが、他の樹脂と同じ条件でプラズマ処理してもフッ素樹脂の接着性はほとんど向上しません。
そこで、本セミナーでは、フッ素樹脂に対してプラズマ処理する際に注意すべき条件 (+αの部分) について解説します。また、今後の展望として、フッ素樹脂表面の官能基比率の制御方法についても触れたいと思います。
- フッ素樹脂
- フッ素原子の特徴
- フッ素樹脂の特徴
- フッ素樹脂の種類
- フッ素樹脂の用途
- 先行研究
- 接着剤を介した接着
- 接着剤レス接着
- 接着剤を介した接着
- 接着剤レス接着
- これまでの研究成果
- ゴムとフッ素樹脂の接着
- 銅めっき膜とフッ素樹脂の接着
- 金属インク膜とフッ素樹脂の接着
- 金属ペースト膜とフッ素樹脂の接着
- 接着強度のまとめ
- プラズマ処理+α
- プラズマとは
- 圧力 (接着性向上)
- プラズマ + 熱
- ガス種
- 表面グラフト重合
- 今後の展望
- 官能基比率の制御による高周波特性向上
- PTFEとPFA
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
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アカデミック割引
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ライブ配信セミナーについて
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