実効的な医薬品品質システム/PQSの構築とGMP・GQP文書及び記録の作成

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日本のGMPは1960年薬事法とし正式に誕生し50年以上が経過した。その後のGMPの進歩は著しく、2014年日本はPIC/S GMPに加盟し同年8月にGMP省令施行通知が大幅に改正された。その後ICH – Qトリオ (Q 8,9,10) 、Q 11、及びQ 12などの新たな動向を受け、医薬品品質システム (PQS) やPIC/Sを取り込んだ待望のGMP省令改定パブコメが2020年11月に発出され2021年8月1日に施行される運びである。  今回のGMP省令改正内容の根幹を成す医薬品品質システム (PQS) の日本への導入は、GMPの国際整合性及び品質保証体制をより充実させることで最終的には患者保護を目的とする。PQSの有用なツールである、品質リスクマネジメントやCAPAシステムを中心に解説する。さらに、PQS 達成のための重要なポイントとしては、実際の作業と完全に合致した文書作成、それに基づく正確な作業とそれを完全に記録することにある。今回の改正GMP省令第二十条では、データインテグリティの重点項目として新設された。実効的なPQSを構築する際に最も重要かつ基本となるGMP・GQP文書及び記録の作成について、事例を多く交え分かり易く解説する。

  1. 薬事法改正、GMP省令改正パブコメの概要
  2. 実効的な品質システム (PQS) の構築
    1. 品質リスクマネジメントレビューの進め方
    2. 上級経営陣の責務
    3. 継続的改善
    4. 知識管理
    5. リスクに基づくPQS変更管理マネジメントシステム (PIC/S勧告案)
  3. GMP文書・記録作成の必要性
    1. GMPにおける文書化の必要性
    2. なぜ記録が必要か
  4. GMP省令改正と国内法規制が求める文書・記録の作成 (製造・QC・QA部門)
    1. GMP省令改正と文書・記録の管理について
    2. GMP省令第20条「文書及び記録の管理」
    3. 文書管理規定
  5. 海外法規制の要請する手順書、記録書
    1. 原薬GMPガイドライン (第6章 文書化と記録)
    2. PIC/S GMPガイドライン (PartⅠ第4章 文書及び要求される記録)
    3. FDAが求める文書化・記録
  6. 監査の対象となる文書・記録事例
    1. 監査の対象となる階層的文書体系
    2. GMP監査の対象となる文書類とは:
      • QC・QA・製造部門における各文書・記録作成と管理
        1. 業務管理文書一式 (3基準書を初めとする法的要求事項、運用手順書類)
        2. 技術文書類
        3. 製品標準書、製造指図・指図記録書
  7. 文書・記録の作成とポイントとデータインテグリティ対応
    1. 文書監査のポイント
    2. 文書管理とヒューマンエラー
    3. コンピューター化システムにおける文書管理
    4. データインテグリティを踏まえた実践的文書管理
    5. 各記録についてのデータインテグリティ対応
  8. 文書監査におけるGMP指摘事例 (文書管理及びSOP・記録)
    ~PMDA、EU及びPIC/S、cGMP~
    1. PMDAによる指摘事例、無通告査察における文書・記録の不備
    2. EU及びPIC/S
    3. cGMP (FDAの指摘) 、QCラボ指摘事例)
    4. バッチ記録と申請書の相違、文書の準備・発効及び管理
    5. 生データの扱い、バッチ試験記録 (試験成績表)
    6. 製造・包装記録
    7. QCラボ文書記録、ログブック、工程時間、データのダブルチェック
  9. まとめ

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