フィラーの上手な使い方

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プラスチックの発泡は、素材が粘弾性特性を示すがゆえに実現可能となるものです。従って、対象とする素材の粘弾性特性を把握することで、所望の発泡体 (所望の気泡径/発泡倍率等) を得るための成形条件が、感や経験に頼らず選定することができます。発泡体の気泡の形成は弾性領域では出来ず、粘弾性領域内で空隙内の素材を移動/流動させることで可能となります。  ここでは、化学的発泡、物理的発泡といった発泡の基礎原理を説明します。次に、発泡原理に基づいた発泡制御法を素材の粘弾性特性との関連で説明し、発泡制御における素材の粘弾性特性の利用法について伝授します。そして、我々の研究グループが開発した最近の新技術として、スワルマークを除去できるGCP (ガスカウンタープレッシャー) の使用法やエタノール等の液体発泡剤を用いた発泡プロセス並びに展着による新化学的発泡剤について説明します。

  1. フィラーの基本理解
    1. フィラーの役割
    2. 配合設計のためのコンポジットの特性改善・機能性付与におけるフィラー作用効果の原理
    3. フィラーの能力を引き出すための要点
  2. フィラーの化合物としての分類と性質・機能
    1. 難溶性塩フィラー
    2. 天然複合酸化物
    3. 合成複合酸化物
    4. 酸化物
    5. 水酸化物化物&窒化物
    6. 炭素系&ポリマー系
    7. 機能性フィラーの代表例とその機能
    8. フィラーを化合物として捉えることの重要性
    9. 用途・目的に応じたフィラー選択のポイント
  3. フィラーの表面処理と複合界面の制御
    1. フィラーの表面とその形成過程
    2. 表面処理の目的と表面処理剤の役割
    3. 表面処理剤の種類とフィラー表面との反応機構
    4. シランカップリング剤の用法と表面反応およびその解析
    5. 機能性フィラーの表面処理のポイント
    6. 表面処理の方法とノウハウ
    7. 乾式処理
    8. 湿式処理
  4. ポリマーとフィラーとの混合・混練技術
    1. ゴム・熱可塑性樹脂の混練のポイント
    2. 熱硬化性樹脂の混合と分散のポイント
    3. ポリマー/フィラー界面状態とフィラーの分散性・組成物の特性との関係
    4. ポリマー/フィラー界面の評価方法
  5. ナノコンポジットの現状と可能性
    1. ゴムを先達としたナノフィラーの活用術と分散技術
    2. ナノコンポジットの現状
    3. ナノコンポジットで出来ること・出来ないこと
    4. ナノコンポジットの本質と今後の展開 – ナノフィラーでなければ実現できない特性とは -

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