医薬品製造におけるヒューマンエラー・逸脱発生には、品質保証の仕組み (システム) 作りによるところが大きいが、重要な点は、管理者のみならず現場で作業する作業員一人ひとりが日々「常に良い医薬品を造り」そして「益々質を高めること」を常に心がけることに尽きる。
本セミナーでは医薬品製造過程におけるヒューマンエラー・逸脱事例や未然防止策」について、特に重要となる教育訓練や手順書・文書管理、リスクマネジメントや教育訓練の観点から事例を多く取り入れながら解説する。
GMPを経験や感性に頼るのではなく、リスク管理や傾向分析等の手法を用い、合理的・効率的に発生事象の根本的原因究明を行い、不良品等が発生しないような改善策を考えること。不幸にして不良品を発生させた場合でも、是正措置や予防措置 (CAPA) を適切に実施し知識を積み上げることが重要である。このような観点からも、GMP省令改正 (2020年11月パブコメ、2021年8月1日施行予定) 第15条逸脱管理条項では、「逸脱管理」としてのCAPA管理が色濃く反映された。作業者自身が日々の作業の中で工程の僅かな異常や逸脱を先取り予見し、直ちに上司に報告が出来るような指導や教育訓練、そしてそのような職場のコミュニケーション、風土作りが益々重要となる。
なお最近発生した「爪水虫治療薬に睡眠導入剤が混入」について、ヒューマンエラーの観点から徹底検証する。
- GMPの目的とヒューマンエラーの防止
- GMPの3原則
- ヒアリハットとハインリッヒの法則
- 逸脱・変更管理とは
- 具体的なトラブル事例と対策
- 製造指図書・記録書の不備
- 不良品の取扱いの間違い
- 機器の取扱いの誤り
- 包装工程捺印不備等
- 連続運転による加熱事故
- 「爪水虫治療薬に睡眠導入剤の成分混入」は何故発生したか?
- GMP省令改正 (2020年11月パブコメ) 第15条CAPAによる逸脱管理
- 教育訓練について
- 教育訓練
- 教育訓練の実効性の評価
- 教育訓練プログラム
- ヒューマンエラーをなくすための効果的な教育訓練について
- ヒューマンエラー防止のための文書管理
- GMP文書・記録の必要性
- 国内法規制が求める文書管理
- 海外法規制の要請する手順書・記録書
- 文書監査におけるヒューマンエラー
- コンピューター化システムにおける文書管理と逸脱防止
- データインテグリティの不備と文書管理
- 手順書・製造記録の不備と3極当局指摘事例
- 逸脱事例と未然防止策
- 逸脱とは
- 逸脱のリスクマネジメントの重要ポイント
- 記録の重要性とヒューマンエラーの防止 (現場事例)
- 記録の重要性について
- SOPの必要性と記載事例
- 生産現場におけるヒューマンエラーの要因別分類と防止策 (人間の介在とミスの発生)
- 「ボタンの押し間違い事故」 (ボタンの掛け違い) にみる発生要因分析と対策
- 原薬・製剤・包装工程における逸脱管理と品質確保
- 目的と対応
- ヒューマンエラー発生の原因と対応 (ソフト、ハード両面から)
- 更衣室で着衣の状態確認
- 原料のサンプリングミス
- クリーンルームの排水口の不備
- 蛍光灯のカバー
- 木製の作業台
- 品質管理 (天秤、洗浄瓶のラベル管理)
- 封緘用テープの剥がれ事故と原因
- 個装箱「捺印なし」混入事故による回収
- 点滴静注用製剤外袋内毛髪混入
- バイアル瓶の中にガラス片が混入
- 封緘証紙浮き上がり (その他の逸脱事例)
- 仕込み間違い、バルブ操作ミス、温度管理逸脱
- 毛髪・異物等・金属異物・ガラス片等混入
- 設備異常、作業エラー
- 異品種混合:他社品錠剤、A錠中のB錠剤回収
- 洗浄不良 (ヒューマンエラー、SOP不良)
- 錠剤割れかけ、錠剤剥離、破損事例
- 含量低下、造粒異状
- 個装捺印なし苦情
- 教育面での対応 (正社員以外も含めて)
- 全社的対応の必要性
- PQS活動と連動した品質リスクマネジメント
- 品質リスクマネジメントシステム (QRM) とヒューマンエラー・逸脱防止
- 製品ライフサイクルにわたる継続的な品質改善と品質文化の醸成
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