導電性接着剤の特性発現メカニズムと材料設計への応用

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本セミナーでは、導電性接着剤の材料設計について基礎から解説し、電気抵抗を下げるポイント、接触状態と電気特性の関係、剥離不良の対策など、界面現象を理解し、応力バランスを考慮した設計手法について詳解いたします。

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プログラム

第1部 導電性接着剤の特性発現機構とその影響因子

(2021年3月9日 10:30〜14:15)

 導電性接着剤は代表的な電子実装用材料ですが、導電機構などの学術的な基礎は必ずしも明らかになっておりません。従来は金属フィラーを高充填するための混合プロセスに重点をおいた材料開発が進められてきましたが、近年ではそれに加えて、化学的因子の影響による導電性制御についても注目されるようになりました。その結果、銀ミクロ粒子の低温焼結や大気キュア可能な銅系導電性接着剤などが開発されています。  本講演では、導電性接着剤の電気伝導特性や信頼性に及ぼす化学的因子の影響に関する現状での理解について解説いたします。

  1. 導電性接着剤の輸送特性
    1. 導電性粒子分散樹脂の従来の解析モデル
    2. 動的パーコレーション
    3. パーコレーション転移
    4. フィラー間導電コンタクトのモデル
      1. 物理モデル
      2. 電気抵抗率の温度依存性に基づく導電機構の理解
    5. 動的キュアプロセス解析
      1. 熱分析結果と粘弾性特性変化の比較
      2. キュアプロセスでの電気抵抗変化
      3. インピーダンススペクトル解析
    6. 電気伝導特性における界面ケミストリの役割
      1. パルスNMR法による導電性接着剤ペーストの解析
      2. ペースト中の界面相互作用と電気伝導特性発達の関係
      3. 樹脂バインダ中における金属フィラーの低温焼結現象
    7. 導電性接着剤の熱伝導特性
  2. 導電性接着剤の電気的信頼性
    1. 銀系導電性接着剤の信頼性
    2. 銅系導電性接着剤の信頼性
      1. 界面酸化物層形成
      2. インピーダンススペクトル解析に基づく界面電荷移動機構に関する考察
      3. 銅系導電性接着剤の電気的信頼性向上を目的とした材料設計

第2部 導電性接着剤の樹脂 – 金属界面特性と熱・電気伝導特性の改善

(2021年3月9日 14:30〜16:30)

 低温接合を実現可能なはんだ代替材料候補のひとつである導電性接着剤の最大の弱点は、熱および電気の伝導特性がはんだに劣ることである。その伝導特性が金属フィラーの接触に依存していることが、高抵抗となる最大の要因であると考えられる。  本講演では、その接触を実現している樹脂/金属の接着から、導電性の測定ならびに、接触状態の変化と導電性の変化に関する基礎的現象について紹介する。また、接触抵抗低減による熱電気伝導率改善手法の提案とその効果についても紹介する。

  1. 導電性接着剤の性能
    1. 樹脂 – 金属の接合
    2. 熱伝導率と電気伝導率
  2. 表面状態と樹脂/金属界面の接着強度
    1. 酸化と接着強度
    2. シランカップリング剤処理と接着強度
    3. 高温保持と接着強度
  3. 導電性接着剤の評価
    1. 熱伝導率測定
    2. 電気抵抗測定
    3. 表面処理と熱伝導率
    4. 表面処理と疲労特性
    5. 曲げ負荷時の応力解析
  4. 導電性接着剤の伝導特性
    1. フィラー充填率と熱抵抗・電気抵抗
    2. 熱伝導解析
    3. 低融点金属架橋による伝導率向上

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