第1部. デジタル治療薬の概要と臨床試験・承認申請への対応
(2021年3月5日 10:00〜12:00)
革新的な技術が医療のパラダイムシフトを起こすことは過去の歴史からも明らかであるが、IoTやデジタル技術の医療応用がもたらす影響は非常に大きく、その裾野も広い。デジタル治療薬 (Digital Therapeutics: DTx) は、デジタル技術を用いて疾病の診断・治療・予防を実施したり支援したりするソフトウェアを指す。今年には、日本発で世界初の禁煙治療のためのニコチン依存症治療アプリが薬事承認され、保険適用となった。現在の規制上では、デジタルアプリはプログラム医療機器に該当するが、医薬品の代替あるいは補完をすることもでき、医薬品の代替にもなることから、製薬企業の参入も増えてきた。
本講座では、デジタルアプリを中心としたデジタル治療薬の現況と、薬事承認申請に向けた対応を解説したい。
- デジタル治療薬とは (デジタルヘルスのなかのDTx)
- プログラム医療機器とは
- デジタルアプリの適用疾患領域の特徴
- 開発中ならびに承認取得のデジタルアプリ
- デジタルアプリの臨床試験
- 医療体系のなかのデジタルアプリの役割
- デジタルヘルス領域の製品開発における留意点
第2部. デジタル治療薬における薬価申請・保険適応のポイント
(2021年3月5日 12:45〜14:45)
2017年11月、FDAは、患者が薬を摂取したかどうかをデジタルで追跡し、患者が薬を服用情報を医師に伝えることができるセンサーを備えた最初のデジタルピルを承認した。この承認は、薬の服用を監視し、コンプライアンスと持続性という高価で長年の問題に対処するために設計されたデジタルデバイスの拡大であり、将来的なデジタル治療薬の可能性を切り拓いた。
本講演では、日本及び欧米でのデジタル治療薬の開発・承認状況を説明し、それに伴う保険償還などのマーケットアクセスの現状および保険適応への重要なポイントを概説する。また、HTAでの評価や費用対効果などの研究事例を説明する。
- デジタル治療薬とは
- 日本と欧米の承認状況
- マーケットアクセスの視点からのデジタル治療薬
- デジタル治療薬分野の特長と傾向
- 欧州でのデジタル治療薬に対するHTAの状況
- イギリス
- フランス、ドイツ、アメリカなど
- デジタル治療薬分野の医療経済評価
- 医療経済評価のガイダンス
- 研究事例
- デジタル治療薬の可能性と課題
第3部. デジタル治療薬の開発プロセスおよびそのマネジメント
(2021年3月5日 15:00〜17:00)
医療の姿が大きく変わる中、デジタル治療薬のポテンシャルがクローズアップしている。薬機法改正や感染症拡大防止のための仕組みなど、新しい概念の受容の動きは大きい。治療効果を設計する前に理解しておきたい、医療機器であるソフトウェア (SaMD) や周辺デバイス、医薬品とのつながりについて解説する。その上で医療における位置付けと開発の要点について、ビジネスの観点も含めて解説する。今後ますます開発環境が整備されていく中で、どう活用するかも説明したい。
- 法規制の目指すところと法改正
- 薬機法改正の狙い
- デジタル治療薬の位置付け
- 知っておきたい背景
- 医療機器であるソフトウエア (SaMD)
- 法制定の歴史と背景、情報という薬
- デジタル治療薬にまつわる定義
- デジタル治療薬の定義
- 知っておきたい関連製品の扱い
- 法において必要な業態構造
- 開発するなら整備すべきこと
- 製造販売をするということはどういうことか
- 品目と参照すべきガイドライン
- 品目に求められること
- ガイダンス/ガイドラインを活用する
- DXというものは?
- スタンドアローンではない時代
- 健康経営などに見る動き
- 設計思想もチェックされる時代
- 「変更計画」制度制定から見るポイント
- 顧客の像は明確か
- 注意しておきたいこと
- 医療現場の変化と対応できるか
- 最近の課題
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
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