リチウムイオン電池のモバイル用途では電動工具への適用が付加価値を高めている。定置用としては、太陽光発電のFIT終了による蓄電需要が拡大している。しかしそれにも増して、車載用途での動きが最も活発であり、欧州と中国を中心にEVシフトが加速しつつある。
米国ZEV規制強化と欧州CO2規制の適用、中国ではエコカー生産を強いるNEV規制が、2019年から発効した。中国のエコカー政策は当初、生産可能な企業にライセンスを供与し、そして電池模範基準認証の取得ができないと中国内でのビジネスに大きな支障を来すようなものであった。しかし、外資への規制緩和によりエコカー生産のための合弁比率を緩和したこと、2020年からの電動車への補助金廃止計画に伴い、電池模範基準認証自体の効力の低下が起きた。しかしその後、2020年に入ってから中国政府は補助金打ち切り政策を撤回し、2022年まで継続する方針を打ち出した。関連業界にとっては、また混乱するビジネス環境となり、その結果、自動車業界、電池業界、部材業界はしたたかに戦略を見直す必要がある。一方、トヨタ、マツダ、ホンダのEV計画、そして欧州勢の大胆なEVシフトと積極投資もあり、2021年以降を見据えてグローバル競争が激化する。
一方で、既存のリチウムイオン電池は電池業界の生き残りをかけた形で戦略的に事業展開されている。また、トヨタを中心に全固体電池の研究開発も全世界的に活発になってきた。注目すべき動向と各業界で必要とされる戦略などについても解説する。
- モバイル用LIBの業界動向
- グローバル競争力の変遷
- 日本の電池産業が競争力を失った原因
- モバイル用LIBの事故・リコールの歴史
- LIBの安全性評価試験法の見直し
- 車載用用LIBの業界動向
- 米国ZEV法規発効からの電動化の流れ
- 車載用電池の事故・リコールの歴史
- 各国の環境規制と電動化の加速~中国の政策転換
- 各国の電池産業の現状と課題
- 電池業界における競争力比較
- 中国の政策に翻弄される自動車業界・電池業界
- 自動車各社のLIB搭載事例
- トヨタ自動車
- ホンダ
- 日産自動車
- 三菱自動車
- マツダ
- 欧州自動車各社の電動化計画
- 電動化に関する自動車各社の競争力比較
- LIB部材業界のビジネス動向と今後
- LIB部材の変遷
- 各社投資戦略
- 安全性評価と受託試験・認証事業
- 国連規則と認証事業
- エスペックの受託ビジネス・認証ビジネス
- ECE R100 Part IIの項目と事例
- リサイクルビジネスとLIB輸送・保管における安全性確保
- 次世代革新電池の研究開発状況と課題
- 期待される次世代電池
- 全固体電池の現状と課題
- 基礎研究のあるべき姿
- 業界間ネットワークによる競争力強化策
複数名受講割引
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 20,000円(税別) / 22,000円(税込) で受講いただけます。
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アカデミー割引
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